2011/03/24

日本のかっこよさ

万博散歩つづき。

万博には大阪日本民芸館 という美しい建物があります。

日本民藝協会のHPによると
『昭和45年の大阪万国博覧会に「暮らしの美」をテーマに日本民藝館が出典参加。万国博終了後も引き続き昭和47年に開館、現在に至っている。
収蔵品は、約4500点。個人作家作品を中心に収蔵している。
日本民藝館と大阪日本民芸館の収蔵品を中心に展示替を行い特別展を開催。 』
民藝の本家本流、初代館長が濱田庄司で現名誉館長が柳宗理という
本物中の本物です。

ここに民芸館があるのは知っていたのですが、
いつも先にみんぱくへ行ってしまい、
へとへとに疲れて
たどり着くことができずにいました。
なので、初めての来館です。

どしりとして静かな門構え。
墨の黒と漆喰の白。
たっぷりとした大きさの鉢と壷。
茫々として素朴なしつらえ。
館内に入るまでのアプローチに足を踏み入れただけで
民芸館のセンスの良さにひれ伏したくなります。




ちょうど民藝運動の作家達の一人、
芹沢銈介展をやってました。 

彼の名前は知らなかったんだけど、
作品を見ていると既知の作品がいっぱい。
型染めで沖縄の紅型を洗練させた雰囲気で民藝ぽいなあ(うっとり)
と 思ってるやつ、
今、あなたの頭で変換されたもの。
それは全部、芹沢銈介の作品である、と言っても過言ではありませんよw
(ちょっと乱暴?) 


作品達はとても身近な美しさがあり親密さをもって眺める事ができます。
展示されているケースが棚状のものも
ガラスケース状のものも、
立派な欅で美しく、反対から見ても棚の裏側まで丁寧な仕事で
日本の建具師の立派な技を見る事ができます。
(館内の写真は不可)

民藝運動とはファインアートだけに目を向けるのではなく、
無名の工人の作になる日用雑器にこそ美しさは宿るということを提唱した運動で
収集された作品には
真面目な日本の(ある年代までの)職人の腕の確かさの中の無欲の美を
感じる事ができます。


身の丈にあったというか
無駄のないというか
格好をつけない「にっぽんのかっこよさ」がそこにはあるのです。


これは私たちが近年、忘れてしまった
いや
忘れようとしていたことなのかもしれないと思ったのでした。

しかし、民芸館のミュージアムショップの充実していて
家の近くにあったら反対に物欲だらけになってしまいそうな
品揃えでした
(反省

民藝の作品たちは同じ感性を持った私たちを
あたたかい優しい気持ちにさせてくれます。
万博公園に寄られたときは
ぜひ、こちらも眺めてみてください。

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