2015/02/04

ワイン上手 田崎真也〜2 栽培

1ワイン上手の基礎知識
第二章 栽培
〜ひとつの品種に栽培方法は無数
一つの品種でもその土地にあった栽培方法を探さないといけない。うまい栽培方法をみつけるのには20年以上かかる。
〜クローンとは何か 
同一品種内でその品種のベースを守りながら改良によってその土壌や気候風土にあうように 改良したもの。カベルネ・ソーヴィニヨンだったら数十種類ある。品種交配とは別。主に新大陸で。
〜昔程ヴィンテージに大きな開きはない
昔は醸造技術が発達していなかったので天候に左右されたが、今は醸造技術・設備・品種改良やクローンなどで均一化されており、昔程ヴィンテージに大きな開きはなくなってきた
〜密植は従来の常識では考えられなかった
一粒の葡萄を出来る限り凝縮するために色々な栽培方法が考えられた。 葡萄が色づき始める直前に葡萄の房を選んで切ってしまう。実らせすぎない。また、密植させることで根は深くなる。しかし密植前と同じ量の葡萄しかとれないように調整することでより凝縮したワインとなる
〜セカンドという考え方が生まれる背景
1970年以降ステンレスタンクが使われるようになると樽が大型化して条件の違う葡萄をどんどんいれて醸造したため質が落ちてしまった。タンクを小さくしてコンピューターで管理して細かな醸造の管理をした。質の高い物をファーストラベルにその他をセカンドラベルにし、ファーストを長期醸造用にして高価に、セカンドを早く楽しめるワインにして廉価に販売する。これはボルドーが初めたこと。
〜開花の時期は品質に直結する
(北半球)3月を過ぎて10度を越えると芽が出る。春の霜、雹が大敵。6月になると蕾ができはじめ白い小さな花が開花。 開花のずれが心配。葡萄の実が成熟するのは開花後100日。収穫日をいつにするかは非常に重要。開花のばらつきが大きな年は収穫が一度になるので品質にもばらつきがでる。開花が早すぎると糖分が過多で酸が少ない余韻の短いワインになる。開花が遅過ぎると酸が強く残って糖度が少ないヴォリューム館に欠けるワインになる。収穫時に雨が多いと水太りになってカビや病気も発生しやすい。
〜カリフォルニアにはまた別の困難が
カリフォルニアは温暖だけど雨が少ないので、コンピューターで葡萄の木、1本1本に合わせた水の管理をしている。(チリも)カリフォルニアは南北に長いため積算温度によって南北に5つに分けその温度に適した葡萄を栽培する。
1 (気温が一番低い)ドイツ シャンパーニュ ロワール ブルゴーニュの北部
2  ブルゴーニュの残り ボルドー イタリアのピエモンテ
3 コート デュ ローヌ イタリアのヴェネト
4 イタリア南部 スペインの一部
5 (気温が 一番高い)ポルトガルの一部 スペインのアリカンテ
この考え方は後の新大陸でも使われている。 日本の山形は3 甲府は4
シャルドネは1〜2 カベルネ・ソーヴィニヨンは2 シラーは2〜3 リースリングは1
〜自然農法は脚あの危機感から
一番新しい考え方は「自然に戻ろう」。農薬によって土地が痩せて不健康な環境を脱却するために「有機無農薬農法」が生まれた。有機だから身体に良いというのではなくて、健全な葡萄が将来ずっと栽培できるようにするためにやっている。葡萄は根を深くおろすから表面を変えただけではダメ。微生物がいっぱいで肥えた土地にして良いワインが育つようにする。もっと徹底的なのが「バイオダイナミクス」ロマネコンティなど。月の満ち欠けや太陽の引力なども考えてやっている。自然農法で作られたワインがおいしいかというと話は別。次の世代にもうまいワインを