2011/12/28

タクシードライバー 見て来た

もう、映画館に行く事は今年はないだろうと思ったけど
諸々の事情が整ったので
10時からの映画祭で、まず
西宮北口のガーデンズで
デ•ニーロ スコセッシの 1976年の名作
タクシードライバーを見てきました。
4割ぐらい入ってたかなあ。




タクシードライバーは
今までなぜかテレビで断片しか見てなくて
いつもちゃんと通しで見ようと思いつつも
実は今もうちのビデオの中に今年NHKのBSでやったのを録って
入ってるんだよ。。。
いや、それなら、映画館で見よう!
ということで行ってきました。

ベトナム戦争帰りで寝れない男、
(若い頃の)ロバート•デ•ニーロ演じるトラヴィスが
タクシー会社に面接に行くとこから映画は始まります。
タクシードライバーになって
大都会NYを流すトラヴィス。
彼は「いつでも どこでも」どんなやゔぁい所でも客に言われれば
行くタクシードライバー。
ジャズのゆったりした調べとスコセッシ独特の
ブルーグリーンみたいな色目の光。
地味な映画だと思うのです。
パルムドールをとったと言われず、何の情報もなく
デニーロも知らない人が見たら
わかったようなわからんような。。。と言いそうな映画ですよね。

トラヴィスは
見当違いなほど自分と真逆の女性で大統領選挙の事務所で働く美人に
一目惚れをしてストーカーのあげくデートに誘います。
初めてのデートで行った所がポルノ映画館。
彼女は怒って出て行き、それ以来、彼を無視するようになります。

この場面の、見てる私の身の置き場のなさと言ったら!
女性の怒りのわかりやすさはおいておいて、
トラヴィスの世界の狭さ、了見の狭さ、空気の読めなさ、
女の人のわかってなさ、無教養から出るなんとも言えない淋しさ。

ベトナム戦争帰りで大都会に1人、恋愛もうまくいかず眠れない男。
街をタクシーで流して、社会の掃き溜めのような場所に行ったり
人間の嫌な部分を見たり、売春宿にいる子供と話したり
同僚とのつまらないエロ話を聞いたりしながら暮らしているうちに
街に犯されてどんどんと病んでいってしまいます。

目はすんでキラキラしてるけど
危ない人!
あれです。あれ。
実は私たちの身の回りに結構いる、あれ!

急に自分の思う正義にがんじがらめにされたり
体を鍛えたり武装したり。

小さかった世界がもっとどんどん小さくなってしまって
その中で息苦しくなっていくトラヴィス。
その最後のその鬱屈の解放の仕方が、
少女売春の館での暗殺的な銃殺。

アジョシみたいに
最後の突撃の銃撃戦ですかっとする映画と違って
タクシードライバーの銃撃シーンは
ねっとりといやーな気持ちが体中にまとわりつくような
そんな最後でした。
流石、アメリカンニューシネマの代表作。
この映画は5年ごとにちゃんと見返したら
そのときそのときで目につく所が違うでしょう。
あのうんざりやるせない感じも
広い心で許してしまうような気持ちになる時もあるのかもしれません。




あのエンディングシーン!


そんな気持ちを引きずりながらも
サントラの音楽、JAZZのすばらしさに
話とは全く関係なく、
NYにjazzを聴きに行ってみたくなってしまってしまいました。


テーマソング


タクシードライバーってあの頃のフィルムが悪いのか
スコセッシがそう狙ってるのか、
最近見た映画で一番映像のきたない、ざらついた感じでしたが
それがこの映画にあってる!と思います。
美しくデジタルリマスターしてほしくないですね

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