2011/01/09

肖像画の事。






この前自画像について書いたので肖像画のことを。
去年、サントリーミュージアムの
レンブラントのだまし絵みたいなのが来てた展覧会で
肖像画がたくさん展示されていて
それをみていたら
??
みんな豪華な洋服に包まれて美しく描かれて微笑んでいるけど、
これってどこまで本人に似てるの?
って疑問がふつふつと湧いてきました。

昔、友人の画家が
とある大阪の大地主の肖像画を描く仕事をもらって
それを頼まれた画廊に持っていくのに付き合ったことがあるのですが
その時に、私には悪くないと見えた絵がばっさり否定されたのです。
曰く、年寄りに描き過ぎていて、彼のいい所が描けてないと。
友人はそのとき、その金持ちに目をかけてもらえそうな位置にいたので
画廊主はもっと気に入られるために、
もっと若々しく男前に描きなさい、それがあなたのためですよ、
と暗に伝えたかったのだと思うけど、
そういわれた彼女は憤慨してかなり落ち込んでました。
それからしばらくして、その金持ちに直接会う機会があったのですが
その彼は私から見るとその肖像画にかなり似ていて、雰囲気もつかんでるし、
全く悪く描いてるとは思えなかったのです!!
でも、そういうクライアントがいて、それもその本人を描いく場合は
そりゃー、男前すぎるほどに描いてこそ喜ばれるものなんだな、
それが人間なのよね。む、むずかしい!なんて、思ったのでした。

それでその西洋の王様やお姫様、貴婦人や紳士、教皇や大商人やその娘息子達。
そんな権力者に肖像画を描くように言われたその時代の画家なら
美しく描かないと命にかかわることもあるよねえ。
と、いうことでかなり割り引いてみる方がいいんじゃないかとw

そんな時に、ふと思い出したのが、
あの北の首領さま。
今世であれほど、生きていて肖像画を描かれている人はいないよね!
なるほど彼の肖像画は美しすぎるほどに描かれているけど、
あれが彼だという事はよくわかる。
つまり、その顔のタイプのグループの一番男前、か、美人に描くというわけよね。
ものすごいサンプルとしてはわかりやすい。
あれぐらいの差は許されるという事で。

その友人の絵はその後、手直しされて
その大金持ちに渡されたそうです。
彼がその肖像画を飾ったのかどうかわからないけど。

*写真はその大金持ちが持ってる
クラッシックビルの一つ

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