2011/04/21

パウル•クレー展 おわらないアトリエ

ずっと行こうと思っていたクレー展に行ってきた。
朝の8時位に!家をでて阪急で京都へ。
河原町からバスで行こうと思ったんだけど
なんか不安になってタクシーに乗った。
昔京都でバスに乗って全然違うところに行ってしまったことがある。
住宅街だった。
普段バスに乗らないからひどくびびってしまうのだ。

クレー展は平安神宮の近くの
国立近代美術館でやっている。

この美術館の建物はあんまり好きでない。
田舎の美術館みたいな感じ。





正面の市立美術館が重厚でかっこいいのに
こっちはぺらぺらで色目も味気ないし。
平安神宮の鳥居がなければ見落としそうだよね。

さて、
クレー。
ゆっくり見ようと思ったのでイヤホンガイドをしながら回ってみた。

クレーは自分のアトリエの写真をたくさん残していて
そこには自作の絵がたくさん配置されている。
舞台装置を作るみたいに
絵を配置して写真を撮った。

会場ではその写真と実際に写っている絵画を並べて
見る事ができるようになっている。
こんな風に→ http://klee.exhn.jp/highlight/index.html

彼独特の絵の描き方が動画で説明されていたり
切ったり貼ったりどのように絵画を制作したのかが
一通り回るとクレー博士になれるぐらいに
丁寧に説明されている。

私がクレーを知ったのは
今はケンカして会わなくなった友人のアメリカの家に遊びに行ったときで
フィラデルフィアの美術館(ロッキーが練習してるとこ)で
作品を見て彼女がポスターを買ってそれを戻ってから彼女の部屋に貼って
クレーについていろいろ話して彼をいろいろ知った。
そのポスターは淡い色彩のボーダーと魚の絵で
それまでヨーロッパでルネッサンスや写実的な絵を好んで見ていた私は
なんだか新しいARTに会ったような気がした。
お洒落でファンシーで今風。

だけど、今回、この展覧会で
彼の絵の生い立ちを辿って行くと
楽しいかわいい絵と思っていたのが
第一次世界大戦の陰を色濃くうけていたり
彼の絵画理論を実践していたりと
深く彼が彼なりに深く考えた結果の絵画
もの申す絵であったというのを知って
ショックを受けた。

全く思っていたのと正反対。
自分の絵画の読解力のなさに。

きっと彼は自分のこだわりをこだわりつくすタイプで
独りよがりというか
オタクというか
深いポリシーの上に絵を描いていた人なのだ。

淡い色彩と頼りげのない線の上には
彼の強い思いと
その制作方法を伝え、世に残したいという欲望が渦巻いていたのだ。

そんな風に知ってしまったら
もう前みたいに
かわいく彼の絵を見れないな。
それはそれでちょっと寂しい気もする。
青春の思い出がなくなったみたいで。

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