2015/11/09

ヴィヴィアン・マイヤーを探してを見てきました

シネリーブルで今日は2本立て。まず、1本目は亡くなってから発掘されたスナップショットの天才「ヴィヴィアン・マイヤーを探して」のドキュメンタリー映画。



すごくエキセントリックで、孤独で自分を語らずカメラを首からずっと下げていたのに誰に写真を見せずに何万枚もの天才的なストリートスナップを残したのは、乳母を職業としていた女性、ヴィヴィアン・マイヤーだった。
ある、目利きの若者がオークションでたくさんのネガが入った箱を手に入れる。で、それを見てみたらすごい写真だらけだったって話。その写真家はちょっと前に亡くなっていて若者はその女性について乳母をしていた家族に話を聞きに行くっていうドキュメンタリー映画。

最近、私は「こんまり」な片付けをしていたので、このヴィヴィアンの何でも溜めておくっていうスタイルがもう、「こんまり」の反対側。もし彼女に家族がいたら、「実家の母が物を溜めすぎてゴミ屋敷なんです〜」っていう今流行りの「実家の片付け」について悩む子供問題になりそうな状態。でも、ヴィヴィアンには家族もなく親族の付き合いもなく、 乳母として家から家を「物を持ったまま」移動していたというから恐れ入る。その持ち物は小さなチケットから領収書、新聞など書類が本当にたくさんあってそれがデザインの良いたくさんのスーツケースに細々と入れられていたんだけど、そのお陰で彼女を知るたくさんの鍵を得ることになる。

ヴィヴィアンはローライフレックスの2眼カメラで スナップを撮る。上から覗くタイプのこのカメラは隠し撮りにぴったりだと著名なカメラマンは言っていた。私たちのカメラ好きの友人はリコーのGRをスナップに使っててこれも隠し撮り用にぴったりの地味な黒なんだけど、昔のカメラは瞬時にピントも合わさないといけないし、構図も考えないといけないと思うとほんま、ヴィヴィアン独学で本当にええ写真撮ってるなあと思います。特に後ほど語られる彼女の意地悪なところが作品になるとええ味出してます。

でも、それよりもすごいのは、このヴィヴィアンを発掘した青年、この映画の監督でもあるジョン・マルーフでオークションで彼女の作品にたどり着いたのもすごいし、それがすごい写真だと確信してデータ化してネットに上げてみたっていうのもすごいし。ああ、でも、この無名であったヴィヴィアンの写真を見て「これすげー」って声をあげたたくさんの目利きのネットを見た人たちもすごいと思う。この監督は各地で個展もやってこの映画にまで仕立て上げてヴィヴィアンをスターにしたっていうのがかっこよすぎる。こういうの何っていうんだろ。キュレーター以上だよね。羨ましいなあ。ええなあ。

ヴィヴィアンはこの監督のおかげで作品が世に出たわけだけど、これは、遺品をオークションに出すっていう文化があったお陰ですよね。先に書いたこんまり的片付けをしてたら遺品整理の便利屋が廃棄処分して終わりだもんなあ。

こんまりも天才の前では、肩なしだわ。
この映画、こんまりせんせーにも見て、レビューを聞かせて欲しいなって思いました。

ということで、評価は、写真にそんなに興味がない人でも面白いので是非映画館で!

   >すばらしい→映画館で見てください!   
   >普通よりもいい→DVD化されたらみてね   
   >普通→機会があったらみてください   
   >それ以下→微妙~~~

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