2009/05/22

実録・連合赤軍 あさま山荘への道程 


実録・連合赤軍 あさま山荘への道程 2008 日本
を見たのである。
今日、夜中の12時半から3時半までwowowでやることを知っていて、さわりだけ見てから寝ようと思っていたのに、完全鑑賞してしまったのである。

この映画、
初めから淡々とその当時の学生運動の
本物の映像を歴史通りに見せてゆく。
まさに、実録。

あの当時、革命と呼ばれていた事件、各々に
何人が参加し、何人が逮捕されたか。
例えば、1968年10月21日、新宿騒乱事件では大学生を中心とする若者が激しく機動隊とぶつかり、約2万人もの賛同者が参加し、450人が逮捕されたとか
次の日、防衛庁へ突入し駅を占拠し、交通や街機能を麻痺させたことなど、
何万人規模のデモや騒乱が日本中で頻繁に紛れもなく行われていたことを
その当時の映像の上に原田芳雄の低いナレーターで、淡々と綴っているのだが、
観ているほうには圧倒的な勢いで迫ってくる。


安田講堂事件やあさま山荘事件など、あの当時の有名な事件しか知らない世代の人が見れば
ただただ驚くべきばかりの
あの頃、である。

この映画では、学生運動の幹部達がその当時、どのようであったかを途中、途中、
ドラマで挟みつつ、当時の映像を見せていくのだが、
山岳ベースに入ってからは ほとんどがその頃の再現フィルムのようになっている。

この映画の監督、若松孝二監督は、確か、チャーリーがライフで言っていたと思うんだけど、
この少し前に作られた映画『突入せよ!あさま山荘事件』の内容が
あまりにもひどく、本当のあの頃を描いてやるとばかりにこの作品を作ったらしい。
あの映画は、本当に、あんまりにもあんまりでしたよね~w
そして、この映画は あさま山荘の事件よりも その前に行われた山岳ベースで12人もの
仲間達を私刑殺人したあの、おぞましい日々を描きたかったとも。




革命という名の元に狂気の熱気で集まってしまった若者が
いつの間にか 抜け出せない状況に陥り、追い詰められ
自分達以外には誰もいない山の中、軍事訓練を行いつつ何度も行われる私刑。
自分も私刑に参加しなければ殺されてしまう。
山岳ベースでの状況は どの映画と比べても、恐ろしいいものだ。
あの時代に、自分が生きていて何かのきっかけでその場にいたならば
生きて帰った自信もその私刑を止める自信もまったく、私にはない。
そして、そのアジトを逃げ去る機転を持てるかも。

あの時代は 何だったのか?
それはわからないけれど、
あの時代がどのようであったのか、を記すのが自分達の役割と
監督やスタッフ、役者達が熱い情熱と力をこめてこの作品を作り上げたことは
ものすごくよくわかり、3時間飽きることなく画面を見つめ続けた。
この映画に 『実録』とわざわざ銘打った気持ちがよくわかる。

重信の親友役を 坂井真紀さんが演じていて
その演じていた彼女は美人な人だったらしいんだけど
それが牽引で総括が足りないとみんなから自己批判を迫られて
自分で自分を殴らされ、捨て置かれ、殺される役を受けたこととその演技に感動した。
永田を演じた女優さんも ものすごくて、女のいやな部分を全て見せられてしまう。

長いけど、観て欲しい映画。
今、インフルエンザで自宅に待機せざるを得ない人たち、特に大学生たちにおすすめしたい。
真実が一番 恐ろしいのだと 
こんな時代が本当にあったことを再認識させられる映画だった。

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