森山大道は
私から見ると
いわゆるダンディでは全くなくて
気ままに自分の芸術を愛し
言葉少なに背中で何かを語り
心の奥底に暗い所を持って
無頼に生きるおじさん。
若い頃はアングラに暮らし
多分、今もやさぐれた女にモテて
普通の範疇には決して収まらないおじさん。
他には
寺山修司とか
伊集院静とか
村松友視とか。
ああいうタイプのおっさんは
遠くでみてると胡散臭いけど
もし、あの黒くて分厚いコートを着て近くに寄って来られたら
おっさんのくせに実は上手に甘えられたりして
真面目な人が絶対行かない汚いけど美味しい店なんかを知っていて
上品なおじいさんがマスターをしている蔦の絡まった一軒家のBARに
つれていかれて、紫煙をくゆらせながら若い頃のやんちゃ話なんかを
見た事もないシングルモルトのウイスキーをロックで飲みながら
聞かされたりして案外簡単にころっと好きになったりしてしまうのかもしれない。
と
思わせるタイプだよね
そんな
森山大道の写真展に中之島の国際美術館に行ってきました。
最終日でした。
大道は
モノクロの写真をアレ・ブレ・ボケと評される独特の
なんかわからんけど、かっこええ写真で撮るカメラマンで
一眼レフみたいな大層なカメラでは決して撮らず、
コンパクトカメラで
構図も決めてないぐらいの勢いで
バシバシ呼吸をするのと同じぐらいに撮影する。
展覧会には400枚以上の写真が並んでいたけど、
それよりも、ドキュメンタリーの映像がおもしろかった。
NHKのテレビのドキュメンタリーで
東北へむかって自分が有名になった頃の写真を巡る旅をしながら
どんどん撮影する大道と
阪神大震災からしばらくして井田由美アナウンサーと共に、
大阪と神戸で写真を撮る大道。
歩きながら車内から電車の中から
テクニックなんかにかまわずに写真を撮る(ように見える)大道。
彼の生き様そのものが作品のような
そんな展覧会でした。
動画を見てから作品を見て、その後また動画を見たので
特にそう感じたのかも。
会場は大道に憧れてるけど
絶対大道にはなれないおじさんがいっぱいで
夢の男
みたいな人だなあと思ったのでした。
やっぱり、大道はかっこいい。
名前が大道だもんな~!
続く
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