2013/06/20

細雪 見せて頂きました。

細雪 1983 年版 市川崑監督 を見てきました。
新開地のパルシネマです。



谷崎潤一郎の細雪は元々好きな小説で初めては大学生の頃に読んで、自分の住んでいるところ、そのものが舞台になっている事を知ってびっくりしました。あの、細雪の世界は阪神間モダニズムの象徴というか淡い想い出というか、あの時代の阪神間の粋でモダンで舶来を愛して京都でわざわざ何かをする事を楽しんで、そういう文化があった事を箱庭的にガラスの水槽に入れて愛でるような気持ちにさせられる作品です。

その映画化は3度されていて、この市川版が3回目。
すばらしいキャスティングで見る者をうならせます。

上本町に住む、船場の本家の長女を 岸恵子
芦屋に住む 分家の次女を 佐久間良子 この二人には養子の旦那がいます。
本家が 伊丹十三で 分家が 石坂浩二。
それから、日本的美人の三女が吉永小百合で
奔放な四女を古手川祐子。

この美人四姉妹の物語。
軸になるのは、三女雪子のお見合い話。
何度もお見合いして毎回うまくいかずを繰り返して最後にやっと成功する話w
なんて言ったら何もおもしろそうではないんだけど。

嗚呼、それにしてもこの四姉妹の美しさとはんなりした発光した輝き。
入江泰吉の写真のような美しい日本の風景。
もちろん、美し過ぎる着物。
なんでもない会話の連続なのに全く飽きさせない。

芦屋の家の明るく開放的な事に対して
上本町の本家の家の暗いどっしりした構え。
陰翳礼讃をそのまま映画にしたような。細部まで美意識の行き届いた作品でした。
関西弁(船場言葉)にも全くひっかかりを感じず見れるなんてあまりないですよね。

佐久間良子の美しさが霞がかかったようにぼーっと忘れられません。


この日はその後、小津映画の2本だてだったのですが、

友人と4人で見ていてこの映画について語りたいなあと思ったので見ないで新開地のビアホールでビールを飲みながら映画にほだされてぼーっとしていたのでした。
本当に、良き映画体験でした

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