2011/11/29

「アラビアのロレンス」をちゃんと映画館でみてきた

何度か書いた事があると思うんだけど
昔、子供の頃に舞鶴市民映画会の会員で
名画を毎月市民会館の大きなホールで楽しんでいた。
今から考えたら本当に貴重な経験で
ローマの休日とかエデンの東とかウエストサイドストーリーとか
私の父や母が青春時代に見ていた映画をスクリーンで見れたのだ。
確か小学校高学年または中学生?
その時に見た映画は脳みそが柔らかかったので
今でも内容をよく覚えているんだけど
この
アラビアのロレンスだけは
砂漠しか覚えていない。
きっと、あの頃の私には難しすぎたんだと思うんよね。
そのアラビアのロレンスが
名画ばかりをかける午前十時の映画祭でやると聞いてとても楽しみにしていたけど
なんと、今年の正月の最初の週で忘れてしまったって話をしていたら
友達が梅田の映画館で今週やるよと教えてくれたので
行ってきました。
梅田トーホー アネックス。来てる人はだいたいおっさんがおばさん。
6割方入ってました。


この映画、4時間あって
前半と後半の間にインターミッションがあってトイレ休憩に行けます。
昔は映画ってそういうものだったみたい。
予告編があって、真っ暗でテーマ曲が1曲分5分ほど流れるオーバーチュアというのがあって休憩のインターッミッション、終わってからも真っ暗で5分ほどあの壮大なテーマ曲が流れるフィナーレ。というスタイル。

内容は知ってる人も多いだろうけど
実在の人物
アラビアのロレンスと呼ばれたイギリス人、トマス・エドワード・ロレンスを主人公にした第一次大戦後のアラブ独立戦争をめぐる話。
ロレンスはイギリス人でありながらアラブ人になりきりアラブのために、オスマントルコからの独立をアラブ人のラクダ隊を率いて進めた男。
史実ではロレンスはそこまでアラブだけのために戦ったのではなく、
イギリス寄りであったらしいけど、そんなことはどうでもいいのだ。
どこまでも続く地平線と大きな太陽。
砂漠の中を黒い点がかげろうみたいにゆれながら近づいて来て
それがラクダに乗った人とわかるところ。
ラクダ戦隊のどこまでも続く様。
砂漠の中の谷にできた何百ともある陣地のテント。
もちろん1963年に公開されたこの映画は、CGではなく全て人が演じ
人が設営したと思うと、その壮大さにクラクラきてしまう。

見直すまでは
ヒーロー、ロレンスの華々しい戦記と思っていたのだけど、
今日見て
ロレンスはヒーロになろうとして
ヒーロになる寸前に
なれなくて心を病んだ人だと、そういう男の話だと思ったのでした。
アラブのために戦う事、
それはアラブを独立へと促して
アラブによるアラブのための国を作る事であったのに
結局は本意を誰にも汲み取ってもらえず夢破れた男。

いや、あまりにも小さな話なんだけど、
私も昔中学生の頃に学級員をしていた事がありました。
それで、何の事だったか内容は忘れたんだけど
クラスのために色々とやってきたことが、全く理解されず失望して
生徒手帖を見たらクラスの1/2の賛成があればやめれるとわかって
やめたことがあったのを映画を見て思い出しました。

ロレンスも最後、アラブ人達とトルコの占拠している重要な町を奪還して
そこでたくさんの種族を集めたアラブ人会議をするものの
その理想はもろくもつぶれ、戦争中は一緒に戦って来たのに
怒号が飛び交い自分の種族の欲をぶつける場になってしまい
そして、誰もいなくなった会議場で寂しく書き物をしている姿が
あまりにも悲しそうで。
今までの大きな勝利とその報いの報われなさに見ていられなくなった。
その収拾は老獪な政治家と将軍と王族の密談によって決められるのだ。
そしてその三者の誰もが今まであれほど厚遇していたロレンスを必要としていない。それどころがもう、厄介者なのだ。

ロレンス役のピーター・オトゥールは絵に描いたようなブルーアイズで
砂漠を自信満々に駆け回っていても
どこか、おどけたような表情を持った人だ。
終盤、レイプされて!!!からはそのコミカルな動きに拍車がかかる。
アラブを諦めてからの変わり身の早さを示す
もう、何もかもいやになったような表情も秀逸。
どうして、この映画のこの役でアカデミー主演賞をとれなかったか
さっぱりわからないよ!

ああ、でもこの映画こそ
大きなスクリーンで見るべき映画。
もう、大画面でアラビアのロレンスを映画館で見る事は一生ないような気がする。
貴重な体験をさせてくれた
午前10時からの映画祭に感謝。
ここでは来週は ベン•ハー をかけるらしい。
これも見たいなあ。
癖になりそうだなあ。

午前10時の映画祭
http://asa10.eiga.com/外部リンク

アラビアのロレンス ウイキ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%A9%E3%83%93%E3%82%A2%E3%81%AE%E3%83%AD%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%B9外部リンク

0 件のコメント:

コメントを投稿