2009/11/05

アイ・ウェイウェイ展



ものすごく勉強したこともないのに、
こんなことを言うのは間違いかもしれないけれど

現代美術って 
まず、自然に見て、単純に驚けばいいのではないかと思っています。

私の少ない 現代美術体験でそれを感じたのは
NYのMOMAだったんだけども、
大きいとか、すごいとか、ええ??の連続の後に
会場を出てから、
作品へ思いがフィードバックしてくる感じ、それを心と頭で感じるのでいいと思うのです。



さて、
東京六本木ヒルズの 森美術館は
現代アートの美術館として、おもしろい企画を続けていることは
日曜美術館などで見ながらうらやましく思っていたのですが
やっと、行けました。

その
アイ・ウェイウェイ展。
彼が 北京オリンピックの鳥の巣の人ぐらいの薄い認識で
行ったのですが

驚きの連続でした。

ただ、MOMAなんかで見た
きらびやかなポップアートではなく

アジアの血を感じ禅に通じるような
静寂なモノトーンの驚き。

繰り返し出てくる 1001と言う数字は
1000が中国1が個人をあらわすということで
有名な詩人であった両親が文革で追放されたり、
そのため、青春を中国を出て暮らさなければならなかったりしたからこそ、
重く感じる数。複雑な祖国への思い。

鳥の巣の設計に携わりながらも、
政治的プロパガンダに過ぎないと
オリンピックの関連行事から手を引いたというのも
彼らしいと思わせる、静かな国への思い、1001。



大きくて美しい作品が並ぶ中でひときわ目立っていたのが
悪趣味に色を塗られた
雑器のような壷や水差したち。

しかし、よく見てみると
この器たちは新石器時代の器にアクリル絵の具で品悪く彩色されたものであり、

古くて、大層で、上等そうなものをありがたがる自分の認識の浅はかさを
打ちのめされてしまったのでした。
有名な写真で
『漢時代の壷を落とす』
という アイ・ウェイウェイ本人が何食わぬ顔で
古い壷を落としている連続写真があるけれど
その前にその器たちが置かれていたのでした
http://twitpic.com/i9khp ←すごい、twitpicでその場の写真がUPされてた


そうそう、
展覧会は写真が自由に撮れて
音声ガイドもブルームバーグによって 無料で。
1001人の中国の子供達をドイツの童話の里へと送るプロジェクトの
ドキュメンタリー映画を大画面でやってたり、
そのスクリーンの前におかれているのが
漢時代の椅子でそれに座って見れたりと

刺激と
驚きと
やられた

まんまと 驚かされた

小気味いい展覧会です

11月8日までやってるので
見てない人で見れる環境にある人には
ぜひ、オススめしたいのです。
びっくりします。


アイ・ウェイウェイ展HP



この蛇のようなオブジェは
1001個のバックパックで 四川大地震で多くの児童・学生が校舎の下敷きになり死亡したことに対する鎮魂と抗議を示していて涙が出た

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