2017/06/07

石を眺めることについて


彫金をやってるので(このブログには書いてないかも)宝石の事と思われるかもしれないけど、本物の石の話。
あ、最初から脱線するけど、自分の配偶者を主人とか旦那とか夫とかいうのが恥ずかしくておじさんと言うように、宝石のことをジュエリーとか宝石とか言うのが恥ずかしいから、ただ、石、と呼ぶことをかなり気に入ってます。
でも、これは、お庭とかの石の話。
最近、お寺とかワタクシの美術館とかに行った時にいつもハッとさせられるのが灯篭や巨岩の庭石や石仏たち。
その昔、巨万の富がある人がでかい石見て「これええやん。持って帰るわ」ってなって、周りの人がえええ!こんな重いやつを持って帰れってって言うの?ってのをぐっと飲み込んで、はい喜んで!って滅茶苦茶遠いところから、掘り出して山や川から運んで、大八車のでかいやつ?に乗せて何ヶ月もかかって大金持ちの庭まで持ってきて、うんこっち側からがええな、そこに置け、って置いて見て、やっぱり俺センスいい、、、ってなるまでを想像すると、果てしなくて超萌える。
そういう天然ものも好きやけど、大金持ちがこれぐらいのね〜でかい灯篭でねえ〜、こういう絵があって、そこにこの漢詩が彫ってあってさあ、あとはええ感じにして作ってこの庭に持ってきて!とか言われて、職人が石を見つけてそこからトントン刀で何年も彫り出して素晴らしい灯篭にして、はい、できました!って言われた庭に持って行って、あの辺りに置いて!って言われて、慎重に設置して、ええやん!やっぱりこの庭にこの灯篭って俺センスええわ〜、ってなるまでもかなりすごい。
そして、完成するまでに庭にあそこには秋の実なるやつと紅葉のあれ、そっちには新緑が美しいやつ、池に東屋、そして巨岩と灯篭と。あ、やっぱり水やめる、水があるテイで・・・枯山水にするわ!とか言いながら庭を作っていって、友達呼んで、流石ですな!とか言われながら気持ちよく酒を飲む金持ちとかってどういう気持ち?
で、それから何百年もして、その石がいい感じに苔むしたり、丸くなってきたのを私たち凡人が眺めて、はあああ、昔の趣味人はやばいなあ。。。ってありがたく見せていただいているのです。
本当にそう考えながら石を眺めてると、今までのその長い歴史がぎゅっと凝縮して頭の中に入り込んでくるようでなんとも言えません。悠久の中で漂う感じ。
でも、これももっと理系の頭やったらその石が地層の中から誕生する時から遡って考えられたりするのかもいや、もっと宇宙の始まりから。。。?
キラキラヒカル石も大好きだけど、お庭の石見るのって楽しいなっていうお話でした。(これが正しい鑑賞方法なのかはさっぱりわからんけどw

写真は、大阪の太閤園のお庭を入る手前にいらっしゃる仁王さん、2体あって超でかい

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