2017/06/21

「首のたるみが気になるの」と、アガワさんとジェーン・スー

信頼しているフリーライターの友人がとても面白いと推薦してくれた本が文庫本になったという記事を読んで、久しぶりにエッセイを買いました。
ノーラ・エフロンの「首のたるみが気になるの」阿川佐和子訳
ノーラ・エフロンはジャーナリストから脚本家になった女性で、「恋人たちの予感」や「ユー・ガット・メール」などメグ・ライアンがラブコメの女王だった頃に輝かしい脚本を書いたり監督をしたりした人。そのノーラのニューヨークの生活をエッセイにしたもの。と聞くと、SEX & THE CITYみたいにキラキラしたNYの素敵な日常が書かれてるかと思いきや、全然違って、活動的に活発に過ごしてきた女は中年からどのように生きればいいのか?についての葛藤が面々と綴られています。

で、その内容に入る前に、私、どうもアガワさんの文章があんまり好きじゃないんだな。。。彼女のいつまでも少女じみた雰囲気なのに、エッセイではひどく自虐的に書くところがどうも読んでて引っかかるんよね。だから、これも最初の訳者の序文を読んでた時に(それも結構長くてこの翻訳に超時間がかかって編集者に面倒をかけた事を延々書いている)ああ、またか〜って、お父さんが有名だったらこういう風に可愛らしいお嬢さんですね。。って中年女になってもも許されるんやなあってもやもや。。。と、してたけど、本編に入るとそれが全くアガワ感がなくなってちょっと関心しちゃったw

さて、中年になると首のたるみも気になるし、バッグって中がカオスになるしそのバッグ選びのことも気になるし、女を諦めないためにネバーエンディングお手入れもしないといけないことも気になるんだけど、この本の中で一番ハッとさせられたのは「ヘアーカラーリング」について書かれた章のところ。
ノーラは言ってます。
 なぜ、40代、50代、60代の女性が昔ほど老けて見えなくなったか?それはフェミニズムやエクセサイズの成果ではなく、ただ単にヘアーカラーのお陰なのである、と。
 いや、確かに私も白髪が多いので早くからカラーリングのお世話になっているけど、そこまで断言できるかなあとその時は疑問符のままでした。でも、確かにその言葉を噛み閉めるととスルメみたいにしみじみ味わえてくる。
例えば、小池百合子があの感じのまま、ごま塩頭だったとしたらあのメイクをしても凄みは出せないだろうし、ヴォーグの編集長のアナ・ウィンターがごま塩だったらあんなにも若い部下たちを罵倒できるかしらん?
 続けてノーラは言います。ヘアカラーは老いた女性が若者文化に対抗するための最大の武器である。中年以上の女性が新たな仕事に就けたり、あるいは仕事を継続できるのは、半分はヘアカラーのお陰だと言っても過言ではないだろう、と。
 世の中にヘアカラーがなかったら、と考えると、大人の女性の半分以上は白髪かごま塩頭になってしまう。そんな頭になったら私も、年甲斐もなく!と若者に言われることを恐れてミニスカートを履くこともできなくなるかもしれない。ヘアカラーの恩恵を受けてあんな無茶もあんなファッションも楽しめれていることに全く気づいていなかったわ。そう、余りにも当たり前過ぎて。
 私の年上の美人の友人が「髪だけはいつも綺麗にしておかないといけない。それが若さの秘訣」と教えてくれたことを思い出します。彼女はいつも薄手のオーガンジーのシャツにデニムのミニスカートを美しく着こなしていてとても可愛いし老若男女によくモテる。
 それもこれもぜーんぶヘアカラーのお陰だったんだなあ。いや、もちろん中身がおもんなかったらあかんけどw
 
 この文庫本の解説は、ジェーン・スーが書いていてさもありなん。今の時代にこの本の後書きをかける人はこの人しかいないでしょう。ジェーン・スーは43歳だそうでこの本では43歳から首の劣化が始まって止まらない!と脅しているのにびびってるって書いてるけど、私は43歳からはもう何年も経ってるのでほんま首の老けについては時々感じているところでした。ちょうど、この前に、私が使っている化粧品のラインに「ハンド&ネッククリーム」が売り出されてデコルテと首回りを美しく保ちますよ!っていう美容部員の口車に乗せられて1万2千円も使ったところ。。。流石、ノーラ、首のたるみっていうある年齢からは突き刺さるキラーコンテンツを知ってるよなあ!この人がこんなに売れた!のには鋭い観察眼があったからに絶対違いないわ!

 この本を読んだ後に、週刊文春のアガワ結婚しました〜、の独占手記を読んだんだけど、やっぱり阿川さんはノーラ側の人でなくて、ええとこのお嬢さんやなあと思ったのでした。だから、長らくこれを翻訳できなかったんじゃないんかしらん?
 そして、この本のアンサー本的なのを日本のノーラ!であるジェーン・スー女史にぜひ書いて欲しい読んでみたいわ!と思う私なのでした。
 VIVA!年取っても面白い女たち!

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