2013/12/31

宝塚映画祭で野良猫を見ました

本当に遅くなってごめんなさい。
友達が実行委員をしている宝塚映画祭に行くのを毎年楽しみにしているのに感想が遅くなってしまいました。
行ったのは11月13日です

宝塚には昔、日本一大きな映画の撮影所、「宝塚映画製作所」があったという事から宝塚で毎年開かれている映画祭が宝塚映画祭です。今年でなんと14回目。
毎年、その年のテーマが選ばれてそこにあう映画たちと、宝塚映画製作所で作られていたり関連のあった古い邦画が宝塚の唯一の映画館、「宝塚シネ・ピピア」を会場としてたくさんかかります。

私はこの映画祭では古い邦画を見るようにしています。
去年みたのは女家族でした。知ってる街でロケをされた古い映画を見るのは懐かしい気持ちになります。その頃、うまれてなかったとしても。どうやら知ってる街の古い写真や古い動画を見るのが好きみたいなんですね。私。

でも今回の宝塚映画製作所の映画のテーマは「FAKE & REAL 美術監督、近藤司の仕事」だったので、セットのすごさを愛でる作品となっていて、そういう古い街を見るというタイプの映画ではありませんでした。

この日は2本見たのですが、まず、最初に
野良猫」。1958年作品

モノクロで森繁久彌と音羽信子の映画です。
飛田新地で出会う二人の話です。赤線廃止後の飛田の町に森繁久彌がほんっとうにボロでうらぶれた家で住んでいます。森繁は廃止前は立派な遊郭の主人であったんだけど、そういう仕事ができなくなってみると全く潰しの利かない男で、横町で猫を捕まえてそれを三味線屋に売ったりしてその日暮らし以下の生活をしています。そこに現れたのが、元、自分の遊郭で働いていて男と逃げ出して行った妓、音羽信子だったのです。
彼女の境遇は男にほれてでも、男にひどい目にあって捨てられてばかりで、その上オツムもあんまり良くないようで学習しないタイプのダメな女です。
ダメな男とダメな女が出会って、ダメ同士がダメになりそうになりながらも人が良くて悪い事のできない二人は強く生きていくしかないんだなあという映画。

森繁の絶妙な間とあかん男役の上手さ、憎めなさと音羽信子の身を持ち崩していても落ちぶれてはなくて根っからの下品には見えないかわいらしさ。見ていて自然と笑ってしまいます。

宝塚、関西で撮ってるらしくダイマルラケットや、ミヤコ蝶々南都雄二やエンタツのぴりっとしたお笑いも入っていてすごく得した気分になれます。

飛田の下町のセットがすごくリアルでした。特に女子プロレスの小屋やその横のどぶ川の感じ。女子プロレスがあの頃、あってああいうおっさんらが見に来ていてああいうたくましい女の人たちが演じて?戦っていたっていう文化を知ってちょっとびっくりしました。
全然違うけど、大昔の出雲の国の阿国も最初はあんな感じだったんじゃないかな?と勝手に納得してしまったのです。

森繁の映画をもっと見たいなあ。そして音羽信子はタカラジェンヌだったのに、ああいう汚れ役をやるっていうのが今だとありえるのかな?と考えたりしました。それから昔の芸人はおもろいなあ。

昔の邦画はおもろいです。

映画祭の楽しみは映画もだけど、その他の趣向もということで、私、映画泥棒になってみました。

似合う??

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