2011/08/31

子供とART



私は田舎の子だったので
芸術は
美術か図工の教科書で見るしかなかった。
周りに美術館はなかったし、
都会へはよく連れて行ってもらったけど
わざわざ美術館に行くような家でもなかったから。
だから弟から
オイとメイにそういう事を教える部門の担当に任命?されたので
一度、彼らがまだ記憶のない頃に美術館へ行きたいなあと思っていたのだ。

今、夏休みになると多くの美術館で
ゲゲゲとかジブリとか
そういう子供をターゲットにしたとみえみえの展示をしているよね。
それは大人が見るのには全然かまわないけど
美術館がそういう所だと最初に指し示すには
あんまりよくないと私は感じる。
美術館が厳粛に絵を見る場所だって知らないといけないと思う。

そう思っていたら
大阪市立近代美術館(仮称)心斎橋展示室で、夏休み・みんなの展覧会 『いつの人?どこの人?どんな人?』をやってるとの情報をゲット。
31日までの展示なので
昨日、オイメイと妹と一緒にいってきました。  




この大阪市立近代美術館(仮称)心斎橋展示室という長ったらしいセンスのない名前の美術館は、あの市立美術館を中之島に建てるつもりだけど
お金がないので先に美術品とか買っておきました。
自慰行為をしてるみたいで恥ずかしいとか女性の活動家たちに言われてしまて
もっと恥ずかしい感じになったモディリアーニの裸婦画なんかもありますよ、
それで新しい美術館ができるまでの間に仮で心斎橋に展示してます。。。
の、仮の美術館。
場所は心斎橋の東急ハンズの隣のビルの最上階。
私も初めて行ったけどあんな所にあるんだったらもっと前から行ったらよかった
と、思わせる行きやすい場所。

今回の展示は
子供にも見やすいように
絵の高さも低めに展示してあって、
子供達にはこういう事をしてはいけないなどの
絵を見るための注意書きのボードがあります。
絵のキャプションの横に
小学校の先生達が考えた絵を見るヒントとなる言葉がついています。

写真からエッチング、日本画洋画、現代アート。
コンパクトにぎゅっと納められていました。
大人が見ても楽しいと思える展示でした。
(ただ、子供と一緒なので自分がものすごく見れたかというとそうでもない)

受付で子供には絵に関するクイズなどが書かれた紙と鉛筆をもらえます。
それを見ながらクイズを解きつつ絵を眺めるような具合。

例えば
大きな現代アートの合成写真に
地下鉄のホームで同じ人がいろんなポーズをしている作品があって
その人数は何人でしょう?
とか
動物がたくさん描かれている日本画に
この中で描かれてない動物は何でしょう?の三択とか。

もちろん全ての作品にクイズがあるのではなくて
5枚ほどの絵のクイズになっています。
その答えは別の絵の横に書いてあるので
その絵も探さなくてはいけないようになってました。

前にサントリーミュージアムの現代アート展でみた
海外で作家と現地の人との洋服を交換して写真を撮る作品とか
確かアルバムエキスポでみた
子供時代に家族で撮った写真を
子供が大人になってから同じ服で同じ構図で撮る作品とか、
ユトリロとか吉原治郎とか佐伯祐三のポストマンのとかビュッフェとか。
この開催中にあったアートイベントで
色んな人の顔写真を撮ってその上に合成でへんてこな眉毛をつけて
何百人もの顔を映したのとか
色々と面白い作品がありました。

第一展示室と第二展示室をつなぐ廊下みたいなところに椅子とテーブルがあって
そこに展示してある日本画の
日本髪の女性の肩から上の絵がコピーされている紙があって
その下、体を想像して描いてみましょう。
という課題と
現代アートのところにあった今ある物を徹底的に錆びさせて
40世紀に出土した化石?遺物?にみたてた作品のオマージュで
40世紀の大阪を描いてみましょう、という課題がありました。

2人も楽しそうに描いていて
その出来た作品をその壁に貼ります。
たくさんの子供達の作品が貼られていて
自分の絵を美術館に(廊下だけど)貼れるなんて
ちょっと楽しいなあと思いました。

見てみると40世紀の大阪の予想図は
人間や動物はみんないなくなっている。
汚れた空気の中で人は生活している。
廃棄物の世界。
など、3.11以降の時代を反映してるかのような世紀末みたいな作品ばかりで
ちょっと暗くなったよ。
でも、私も小学校の頃、
第三次大戦が始まったら地球は滅亡する
とか言ってたから、子供ってそう言う事を言いたがるのかもしれないなあ。

子供を連れての美術館の感想は
まだ2人は幼稚園なので
どうしても声が小さく話せないのね。
だけど、子供と大人のと銘打ってるのだから叫ぶのはどうかと思うけど
おしゃべりぐらいはしてもいいですよ、のスタンスでもいいんじゃないかと
思ったよ。
もちろん走り回ったりするのはいけないけど。

2人は楽しかった?ってきいたら
「よくわかんなかったけど、たのしかった!」
って言ってたので、まあ成功ではないかと。
帰りにポストカードを買ってあげるっていったら
たくさんのカードの中からちゃんと見た絵と同じ物を買ってたし!
(ここはハガキが50円だった!すげえ)

また来年も夏休みに
子供にこびない展示をみつけて行ってみよう。

なぜなら
私の子供の頃の美術への入り口は前にも書いたけど
おばが毎回渡してくれた
切手に描かれてた絵だったから。
子供の頃に眺めていた切手が深層心理に刷り込まれていて
アートを楽しむめる人になったんだということに
随分後になってから気がついたということ。
だから、あの子達もわからずでも
絵を見てたら何かが芽生えるはずだと思ってるんだ!

大阪市立近代美術館(仮称)心斎橋展示室で、夏休み・みんなの展覧会 『いつの人?どこの人?どんな人?

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