2010/10/09

Evernoteと知的生産の技術

どれぐらいかかっとんねん!
と、思われる人もいると思いますが
やっと、国立民族学博物館の元館長の梅棹忠夫先生の
知的生産の技術を読み終えました。
新書をよむのが苦手w

この本は1969年に書かれた新書で
学校では知識は教えてくれるけど
メモのまとめ方、
カードの利用法、原稿の書き方など
その知識をまとめてわかりやすく保管する方法は教えてくれない、
そこで知の大家の先生が
その方法を伝授するという内容です。

もちろん、その頃は、パソコンなんてあるはずもなく、
もちろんワープロも
そして
そこで出てくる和文の平仮名タイプライターすら出始めたかどうかの時代。

その当時の先輩からメモをつけなさい。
と言われてた先生、どうしてもノートのどの部分にそれを書いたのか?
わからなくなりますよね。
私もよくあります。
その上、慌ててメモってとるので字が汚いっw
先生はいろいろと考えてこのような方法を編み出します。
B6版(12.8x18.3cm)のカードを用意しそこに経線を書きます。
それもノートなんかのペラペラした紙ではなく、厚紙とはいわないけど画用紙ぐらいの厚さの紙。
なぜならカードはボックスに入れて何度もくるから。
保存するだけではなく、何度も活用するためにつくるのです。

このカード、私も最初にきいたときはちょっと大きすぎると思ったけど、
これより小さすぎるとたくさんの物事を書く事ができない。
小さなメモだと何枚もに渡ってしまうことってあるでしょ?
そして先生のルールとして
一項目1枚。
例えば
『円周率』
通常3.14
ということだけを書くカードがあったとしても、
もったいないと思ってその横に他の事を書いてはいけない。
なんでも気になった事は1項目づつ、カードに書く。
何でも例えば日記でもカードに書く。
手紙も複写してカードに記しておく。
本の感想も書く。
覚えるために書くのではないと先生は言う。
忘れるために書くのである、と。

それはまるで現在のパソコンのファイルをアナログでやっているのと同じです。
かと言って、現代人が(というよりも私が)
先生よりも簡単に早くパソコンを使って
昔記したファイルから探したい事柄を探せるかというと
それは全くなく、いつも
あれってどこだったんだろう??
と探してばかりの宝の持ち腐れ。

私は、はたとこの本を読んで理由がわかりました。
理由は簡単、ファイルを作るときのタイトルに不備があり
そしていろんな物に書き過ぎているということ。
私はあるときは机の上のメモ用紙に何かをかきつけ、
そしてあるときは何でも書く用のノートに
あるときはiPhoneのメモアプリに
そしてパソコンでもテキストエディタに。
とバラバラ。
そしてPC的なものに書き込むときも面倒くさがりの私は
曖昧で中途半端なタイトルの付け方をしていたのです。

ご存知の方もおられるとは思いますが
何台ものパソコン、スマートフォンタイプの携帯電話、
iPadなどの全ての機器で互換性を持って使えるweb上のメモに
Evernote があります。
http://www.evernote.com/about/intl/jp/
日本語版では
すべてを記憶する
が、コピー。
メモから写真、ボイスメモなど
無料で1ヶ月40Mまで使えるのです。
この容量はかなりのもので使い切る人は素人では難しいのでは?

最近私は今までIDをとるだけでほったらかしていたEvernoteを再開し、
メモを書くときは
できるだけ
机の上の紙に手を伸ばさないようにして
Evernoteに丁寧で詳しいタイトルをつけて上げるようにしました。

おかげで最近の事柄に関しては
探しまわらなくてもいいようになってきました。
この本のおかげです。
梅棹せんせいのように几帳面にはできないけど
ものぐさな私でもこの方法ならなんとかなる!のです。

先生の開発したカードは当時、
先生の周りの研究者たちにどんどん広まり、
いつのまにか
京大型カード という名前をつけられて市販されるようになったそう。
(その当時、先生は京大の教授だったので)
今でも京大では売ってるのかと思って調べていたら
アマゾンでも売っている!

この大きさ、帳簿の伝票で使われてるのと同じで
見出しカードやファイルボックスまでなんでも揃っているのがいいところだとか。
カードのいいところは論文を書くときに
書きたい事の考えが書かれたメモを
机の上に並べ、順番を付けたり、
どれとどれを一緒に書くか、また重複した事を省くなどを
目の前でできること。
これは、Evernoteではできないな。
だけど、私は論文を書く事がないからそこは大丈夫かと

写真は
梅棹先生が館長だった民族学博物館の楽しい展示風景


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知的生産の技術 梅棹忠夫
岩波新書

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