2012/06/23

11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち を見たぞ

今週の火曜日に、若松孝二監督の11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち を見てきました。



若松監督の作品で 
実録・連合赤軍 あさま山荘への道程 というあの頃の学生運動を描いた作品があり、 それにかなり圧倒されたことを昔の日記に書きましたが 

これはその時代の表と裏。というか、右と左。 
監督も学生運動を描いた映画を撮ったからこその、盾の会の映画。と言われていたので、 
あの時代を描かないといけない宿命のために作られた作品と思われます。 

私は三島が自決した年に産まれたので、 
リアルに動く三島をしらないのですが、今ではあの、youtubeで 
三島VS全共闘 

途中に出てくるその後の中日の野球帽のおっさんがうざい)や、 
市ヶ谷駐屯所の最後の演説 

なんかも見る事ができます。 
凄い時代ですね。 

そのリアルを知らないけれど、三島の文学に憧れていた文学少女だった私は 
見なければいけない映画のような気がしてシネリーブルに行ってきました。 
もう終わりがけなので、1日1回朝の10:30からしかやってませんが、おっさんでいっぱいでした〜! 

三島がマッチョでボディービルなんかもやっていたのは 
自分が虚弱体質だった事のコンプレックスの裏返しだったというのは有名な話ですが 
あの盾の会も、自分が(本当は選ばれなかったのを当時喜んでいたのに)徴兵検査で失格になったこと、への、きまりの悪さの裏返しですよね。 
映画だと特に、兵隊ごっことしか見えない盾の会。しかし、あの当時、あれを真剣にやっていた大学生がいたとは不思議だけど、その反対側にあんなに大暴れしていた学生運動の人達がいたのだから時代だったのだろう、純粋だったのだろう、疑う事を知らなかったのだろう、としか言えません。 

この映画は、実録・連合赤軍 あさま山荘への道程と比べると 
凄惨な部分が少なくて、 
自衛隊のレンジャー部隊での修行と 
世の中が新宿騒乱などでひどい事になっている時に、 
自衛隊が治安維持法と共に粛正へと出動するのと同じくして盾の会自体も繰り出そうと思っているのに 
いつも騒乱罪が適用されて警察しか活躍せず、空振り。の繰り返し。 
若き会員達が 
「私たちはいつ出て行けばいいのですか?」等というのを 
三島が 
「慌てるな」と 
あの市ヶ谷事件までは言い続けるのですから 
あまり大きなドラマは起こりません。 
あさま山荘では、リンチ自己批判リンチ、の繰り返しで見ている方が苦しくなってくるのですが、それと比べると、盾の会は大人の三島がボスだからか、どーも自分を見失いません。 
大人だからこそ、そして大作家だからこそ、三島は自衛隊の幹部との付き合いができて、 
その幹部達を料亭で接待したりします。 
その時も、有事が起こった時に君たちはどう行動するのだ?という三島の問いに明確な答えを出す自衛官はおらず、 
最後の自決前の演説を「誰も聴いていない!」あの悲劇をもたらす事を暗示しているかのようです。 

俳優も熱演しており、森田必勝を演じた満島ひかりの弟、満島真之介のきらきらした全く濁りのない目は、スゴイです。 
そして、三島がゲイであったことを示すかのような 
自決の打ち合わせをメンバーだけで、サウナで汗まみれでするところなどは、こちらがちょっとドキリとしてしまいます。 
三島由紀夫役の井浦新(ARATA)に関しては、彼の演技などはよかったのですが、 
本物の三島は背が低くてマッチョな日本人体型で大きくてアクが強い顔だったのに 
井浦くんは、すらーっとしてて、薄いオトコマエなので、 
そこがちょっと。。。。三島と思い込むまでが時間がいりました。 

そして、ネタばれになっちゃうけど、歴史上の話なので御存知の通り、 
自決するわけだけど、その瞬間を表情などでしか表現してないのよ〜。 
首もないんだなあ。 
これは、あさま山荘のリンチをあんなに凄まじく描いた若松監督としては 
ちょっと、物足りないかなあと思ってしまいました。 

歴史にもしもは禁句だけど、 
あの時、川端でなく、 
ノーベル文学賞を三島由紀夫が取ってたら 
自決しなかったんじゃないのかなあ? 
私はファンなので、生きてるところを見たかったなあ。というのが正直なところです。 


評価 は 
 好きな人はDVD化されたらみてね! 
 先に、実録・連合赤軍 あさま山荘への道程、を見てからね=== 

  >すばらしい→映画館で見てください! 
  >普通よりもいい→DVD化されたらみてね 
  >普通→機会があったらみてください 
  >それ以下→微妙〜〜〜 

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