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2017/06/21

「首のたるみが気になるの」と、アガワさんとジェーン・スー

信頼しているフリーライターの友人がとても面白いと推薦してくれた本が文庫本になったという記事を読んで、久しぶりにエッセイを買いました。
ノーラ・エフロンの「首のたるみが気になるの」阿川佐和子訳
ノーラ・エフロンはジャーナリストから脚本家になった女性で、「恋人たちの予感」や「ユー・ガット・メール」などメグ・ライアンがラブコメの女王だった頃に輝かしい脚本を書いたり監督をしたりした人。そのノーラのニューヨークの生活をエッセイにしたもの。と聞くと、SEX & THE CITYみたいにキラキラしたNYの素敵な日常が書かれてるかと思いきや、全然違って、活動的に活発に過ごしてきた女は中年からどのように生きればいいのか?についての葛藤が面々と綴られています。

で、その内容に入る前に、私、どうもアガワさんの文章があんまり好きじゃないんだな。。。彼女のいつまでも少女じみた雰囲気なのに、エッセイではひどく自虐的に書くところがどうも読んでて引っかかるんよね。だから、これも最初の訳者の序文を読んでた時に(それも結構長くてこの翻訳に超時間がかかって編集者に面倒をかけた事を延々書いている)ああ、またか〜って、お父さんが有名だったらこういう風に可愛らしいお嬢さんですね。。って中年女になってもも許されるんやなあってもやもや。。。と、してたけど、本編に入るとそれが全くアガワ感がなくなってちょっと関心しちゃったw

さて、中年になると首のたるみも気になるし、バッグって中がカオスになるしそのバッグ選びのことも気になるし、女を諦めないためにネバーエンディングお手入れもしないといけないことも気になるんだけど、この本の中で一番ハッとさせられたのは「ヘアーカラーリング」について書かれた章のところ。
ノーラは言ってます。
 なぜ、40代、50代、60代の女性が昔ほど老けて見えなくなったか?それはフェミニズムやエクセサイズの成果ではなく、ただ単にヘアーカラーのお陰なのである、と。
 いや、確かに私も白髪が多いので早くからカラーリングのお世話になっているけど、そこまで断言できるかなあとその時は疑問符のままでした。でも、確かにその言葉を噛み閉めるととスルメみたいにしみじみ味わえてくる。
例えば、小池百合子があの感じのまま、ごま塩頭だったとしたらあのメイクをしても凄みは出せないだろうし、ヴォーグの編集長のアナ・ウィンターがごま塩だったらあんなにも若い部下たちを罵倒できるかしらん?
 続けてノーラは言います。ヘアカラーは老いた女性が若者文化に対抗するための最大の武器である。中年以上の女性が新たな仕事に就けたり、あるいは仕事を継続できるのは、半分はヘアカラーのお陰だと言っても過言ではないだろう、と。
 世の中にヘアカラーがなかったら、と考えると、大人の女性の半分以上は白髪かごま塩頭になってしまう。そんな頭になったら私も、年甲斐もなく!と若者に言われることを恐れてミニスカートを履くこともできなくなるかもしれない。ヘアカラーの恩恵を受けてあんな無茶もあんなファッションも楽しめれていることに全く気づいていなかったわ。そう、余りにも当たり前過ぎて。
 私の年上の美人の友人が「髪だけはいつも綺麗にしておかないといけない。それが若さの秘訣」と教えてくれたことを思い出します。彼女はいつも薄手のオーガンジーのシャツにデニムのミニスカートを美しく着こなしていてとても可愛いし老若男女によくモテる。
 それもこれもぜーんぶヘアカラーのお陰だったんだなあ。いや、もちろん中身がおもんなかったらあかんけどw
 
 この文庫本の解説は、ジェーン・スーが書いていてさもありなん。今の時代にこの本の後書きをかける人はこの人しかいないでしょう。ジェーン・スーは43歳だそうでこの本では43歳から首の劣化が始まって止まらない!と脅しているのにびびってるって書いてるけど、私は43歳からはもう何年も経ってるのでほんま首の老けについては時々感じているところでした。ちょうど、この前に、私が使っている化粧品のラインに「ハンド&ネッククリーム」が売り出されてデコルテと首回りを美しく保ちますよ!っていう美容部員の口車に乗せられて1万2千円も使ったところ。。。流石、ノーラ、首のたるみっていうある年齢からは突き刺さるキラーコンテンツを知ってるよなあ!この人がこんなに売れた!のには鋭い観察眼があったからに絶対違いないわ!

 この本を読んだ後に、週刊文春のアガワ結婚しました〜、の独占手記を読んだんだけど、やっぱり阿川さんはノーラ側の人でなくて、ええとこのお嬢さんやなあと思ったのでした。だから、長らくこれを翻訳できなかったんじゃないんかしらん?
 そして、この本のアンサー本的なのを日本のノーラ!であるジェーン・スー女史にぜひ書いて欲しい読んでみたいわ!と思う私なのでした。
 VIVA!年取っても面白い女たち!

2015/01/29

ワイン上手 田崎真也〜1自然環境

ワイン上手、後で読み直せるようまとめていくことにする

1ワイン上手の基礎知識
第一章 自然環境
 〜ワインのルーツはどこにあるのか〜
 ワインが一般に広まったのは紀元前1500年のギリシャ時代だが、現在の形になるのはローマ時代から。19世紀半ばに今の形になる。コルク栓の登場が大きい。
〜北に向かうにつれて〜
葡萄は群を抜いて種類の多い植物。醸造用の品種だけで三千種。
 北緯30度から52度。南緯20度から45度で葡萄は作られてます。
ワイン造りの広がり。中近東→ギリシャ→ローマ→ヨーロッパ
広がると同時に土地土地で交配されて新しい品種になる。同じ品種でも3代目ぐらいからその土地に根ざしたものになってゆく。
寒い所は、交配で。ドイツなど
 〜フィロキセラ禍を好機として〜
19世紀末から20世紀初頭、葡萄の病気、フィロキセラ禍はヨーロッパ全域を陥れ、それを救ったのはフィロキセラ禍に強いアメリカの苗木を接ぎ木してなんとか立ち直った。このお陰でやる気のある農家だけが葡萄を作り続けることとなって品質の高いワインが生まれる事になった。
フィロキセラ禍とは根に帰省する微小の害虫。
〜こうしてぶどうの品種は選別された〜
AOC(原産地管理呼称法)がフランスでできた お陰で(50年程前)、その土地にふさわしい品種の葡萄がしぼられて畑が格付けされることになっていった。(決められた土地の葡萄を何%使わないとその銘柄を名乗れなため)
〜雨が望ましくない理由〜
雨が多いと葡萄の粒が小さくなってしまう。水っぽくて色も薄くて糖分もすくない。
樹齢によっても葡萄が違う。若いと根がはってないので味がイマイチ。樹齢は100年以上あって年をとるほど味がこくて芳醇なワインになるけど収穫量は少ない
〜土地は痩せている事〜
土地が痩せていると葡萄の根がドンドン深くなって、ミネラルを含む地下水をくみあげるし雨の影響も少ないのでよい。
赤ワイン ミネラルや鉄分の多く含んだ粘土質の土地。早く成長し、タンニンが豊富でヴォリューム感のあるワイン
白ワイン  ミネラルを含んだ石灰質の土地。ゆっくり成長し、酸が豊富なワイン。
〜地球の温暖化もエルニーニョも無縁でない〜
冬寒く夏暑い。昼夜の気温の差。葡萄に適している 。地球の温度の変化によって、栽培できるところが増えたり減ったりしている。
〜ワインが足りなくなる〜
地球上の8割がワイン用2割が食べる用の葡萄。ワインを飲む人が増えたら足りなくなるかも。中国とか、、、

2012/03/08

ものすごくうるさくて ありえないほど近い、を読んだ

この前見た映画 ものすごくうるさくて ありえないほど近い 
の、原作の日本語版を今、読み終えました。 

この映画は今年見た12本の中では今の所1位の映画で 
そして原作本もとても評価されている方が多い本です






この写真の手にタイポグラフィーが描かれてる赤い本です。 

この本は 
主人公のオスカーの行動を描いているところ、 
オスカーの祖父の書いた息子への手紙 
オスカーの祖母が書いた手紙 
写真、で校正されています。 

これはビジュアルブックと呼ばれているとても実験的な本で 
ただ文章が印刷されているのではなく、 
フォント自体もゴシックや明朝体や太字や新聞みたいな文字など 
そのパートによっても変わるし 
文字の大きさも 
普通に書かれているかと思えば 
1ページに1行とか 
詩のように散文的にかかれてあったりとか 
その状況によっていろんな風に目に訴えかけてきます。 

オスカーのおじいさんは話す事ができなくなっているので 
手帖に字を書いて人とコミュニケートするんだけど 
途中手帖にたくさんの話を書き記さなければならなくなると 
改行も無く文字も小さくなりどんどん字が本のページを浸食するかのように 
文字で真っ黒になっていったりするのです。 

私の読書体験の中ではかなり希有な体験でした。 
途中、ものすごく眠たくなる所もあるんです。 
オスカーは父を亡くしてptsdになってるので、 
少年の内へ潜りこんだ世界を文字として読み進める場面は 
骨の折れる本読みでした。 
最近、私は本を読むと眠くなってしまう症状が出るので 
特に私だけに出る症状なのかもしれないけど。 

ただ、9.11や第2次世界大戦のドレスデンの爆撃や 
不意の事故で大切な人を無くしてしまった人達の物語が 
紡がれていて、そんな中で明日も生きて行こうと思わせてくれる本であるので 
今の日本でも共感することが出来る人達が 
大人子供関わらずいるのではないかと思いました。 
中学生ぐらいなら読めるんじゃないかな。 

とてもいい本で、 
一度さらっと読んだのを、少し時間をおいてからもう一度 
じっくり読みたくなるだろうと思わせます。 

ものすごくうるさくて、 
ありえないほど近い 
ジョナサン•サフラン•フォア 
NHK出版 
http://www.nhk-book.co.jp/recommend/elic/?area=flash外部リンク 

映画はそろそろ終わるかなあ? 
いい映画なので見れる方はぜひ 

2012/02/24

図書館と本のあれこれ

うちの近くにマンションが建つということで、 
それは珍しくないんだけど、 
なんと、敷地内に図書館付きのマンションで! 
(市立の区図書館も新築される) 

宝くじ当たったら買おうかなあと、先日の映画の帰りに 
ぐりーんジャンボを買ってみました。 
バラだから5億はあたらないけど。 

うちの区は本当に図書館の素敵なのがない町で、 
おかげで図書館とは無縁の暮らしをここ20年ほどしてきました。 
そう言えば、大学の図書館も本当にいるものしか借りなかったし 
子供の頃あれほど図書館を愛していたのに 
縁のない毎日です。 

書いた事もあるけど、実家の家の前が図書館だったのです。 
そして近所に日本生命の支社があって、そこの1階が 
子供の本の無料図書館になってました。 
うちは、買いたい本は本屋でツケで買ってもいいシステムだったのですが 
家に全集的なものはなく、 
そういう類いの本は全て図書館で借りて読んだ本です。 
少年少女文学全集とかSF文学全集とか 
伝記とかそんなやつ! 

こういう本は今から全巻集めるなんてこともできないので 
図書館、いきたいわああああ。 

本と言えば 
最近まで文庫本を愛していたのですが 
この前見た、ものすごくうるさくて~以下略、とサラの鍵の 
原作がとてもいいと、twitterの人達とかの評判を聞き 
単行本を買いました。 
まだ文庫化されてない上に、外国物。。。ということで 
いつも買う文庫の3倍!ですよね。 
うーん。出費だ。 
しかし! 
読んでみると文庫より読みやすい!これって年取ったってことよね=ぶー 

キンドルの日本語版が出るとか 
言われてたり 
iPadで本を読んでみたりしたけど 
やっぱり単行本が最強なんじゃないか。 
などと宗旨替えしたくなっている私。 

ああ、それならあれ買うしかないか~w 

図書館付きマンションに引っ越したら 
宝くじが当たったと思ってください。。。 

写真は積読の日々 

2011/05/24

国境の南、太陽の西

あの時読んでた本の話。

私のプロフィールを読んで
海外との絵はがき交換サイト、postcrossingのメンバーさんが
「村上春樹の “Au sud de la frontière, à l'ouest du soleil". を思い出しました」
というメッセージをもらいました。

私はハルキストでないので
twitterで ”Au sud de la frontière, à l'ouest du soleil". って何?
ってきいたら、フォロワーさんが
それは
国境の南、太陽の西
ですよって教えてくれたのでした。

それならばと読んでみた。
タイトルがかっこいいよね。

国境の南 は 古いジャズ "South Of The Border ” 。


ナット キング コール のそのレコードを主人公の少年
ハジメくんは初恋の人、クラスメートの島本さんと彼女の家でずっと聴いていた。
島本さんは足が悪くて少しひきずって歩いているけど
理知的で媚びなくて隙がなくて美人で、
誰もにその事を指摘させない雰囲気をもっているし
自分からはばかってゴメンナサイね
とか全く言わない女の子だ。

お互いの気持ちはわかっていたけど小学生の2人には何もなく、
時が流れて全く会わなくなって、どこにいるかもわからなくなるんだけど
ある日、大人になって出会ってしまう。

なぜならハジメくんは、青山通りで
「ジャズを流す上品なバー」の経営に成功していて
その店のオーナーとしてブルータスで紹介されたのを見た島本さんが
店に会いに来たから。

私のポスクロメンバーさんは、そこを私の店の紹介文と
多分私が日本人だからこの本を思い出したのに違いない。

会うべくして会わねばならない2人がどちらも思い続けて
やっと会えるという物語は1Q84でも描かれてるよね。
(あ、1Q84はまだ会ってないかw)
昔に出会った運命の人がずっと自分を思ってくれているというストーリーは
誰しも自分に置き換えてみるとドキドキ魅了されるもの。

この本は私にとっては3分の2ほどは楽しかったけど
最後に向かっては男の勝手さが鼻について少しあほらしく思ってしまったの。

だけど、このハジメくんの
JAZZ BAR 経営の心得はなかなかおもしろかった。
それについては
この本について調べる事があってぐぐってたら
サイバーエージェントの社長の藤田晋さんがブログに書いてたので
興味がある人はこちらを .



藤田さんが書かなかった事で
私がハジメくんが語った心得で私に一番欠けている事は
彼はいつも
アルマーニのシンプルなスーツに清潔な白いシャツを着て
カウンターの中に立ったり端で座って本を読んでたりするんだけど、
それを島本さんがいいセンスね
なんていうと
「僕はこの服を好きで着てるんじゃないんだ。お客がこの店のオーナーに着て欲しいと思う服を着てるんだよ」
みたいな事をいうの。
BARの高いお酒をわざわざ飲もうと思ってくれる人たちが
どんな店に行ってみたいか?
彼はそれを徹底的に考えて実装している。
「(BARで酒を飲むということは)精妙に作られて空中に浮かんだように見える人口庭園を見るために、その風景の中に自分も入り込むために、彼らはここにやってくるんだよ」

私は昔からONとOFFで着ている者があまりにも違いすぎる。今だと、たいした調理もしないけど水を使う仕事であるカフェやBARの業務をこなすのに美しい洋服よりも汚れてもいい服を着てしまうのだ。
でも、振り返ってみると、店を始めた頃は
お客がこの店のオーナーに着て欲しいと思う服
について考えて、白いシャツにロングスカートなんかを着ていたなあ。
10年でこんなになっちゃったよ。
ちょっと反省したw

結末はどうもいただけないけど、
色んな事を考えさせられる物語でした。
うむ。
国境の南、太陽の西 (講談社文庫)
村上 春樹 (著)

2011/05/04

三陸海岸大津波 を読んで−2

本の紹介を書いていたら長くなったので
感想を2本にわけました。

吉村さんのこの本は何度も書いたように
この本を1970年に完成させているので
今回の津波について書かれていません。

今回の津波では
「これより下に家を建てるな」と書かれた石の下までは水は来たけれど
それより上に家を建てた人は大丈夫だったとか、
学校に避難路を造らねばならないと訴え続けた市会議員のおかげで
子供達が救われたなどと、昔の言い伝えによって救われたニュースで
どちらかというと明るいニュースが何度も繰り返し放送されたりしました。

しかし、
昭和8年の津波による被害をうけて巨大な防潮堤が作られた田老町では
その壁を過信して逃げるのが遅くなったと言われています。
また、前兆と教えられていた数々の事が今回は事前に起こらなかったので
津波を関連づけて考える事ができなかったとも言われています。

そう考えると
私たちはどこまでも天災の前に無力であると言わざるをえません。

毎回、津波が起こる度に高所への移住が勧められますが
いつ起こるかわからない津波のために強制的に全ての人々を動かすことは
難しい話です。

子供の頃、とても厳しい寒さや暑さの中で生活しなければならない人や
津波など天災が何度も襲う場所、差別をうけるといわれている所に住む人たちが
どうして引っ越しをしないのだろうと不思議でした。
しかし、大人になってみると、先祖から受け継いだ土地、やっと自分で手に入れた家を簡単に捨てたり逃げる事は出来ない事。毎日生きて行くための仕事。学校。様々なしがらみと友情。そこで生きる事が全てだと思える事。
そういった事が深く理解できるようになりました。簡単に捨て去る事ができない物や事柄が増える事が生きて行くということなのでしょう。

海の恵みに感謝して生きてきた人が多い三陸海岸の人々が
今は絶望していたとしても
海を捨てては生きていけないに違いありません。

それにしても
私たちの知恵はどこまで有効なのでしょう?
毎回、同じ津波でも姿を変えて襲いかかる高波。
過去のどの津波の予防方法を学んだとしてもそれとは違う姿を見せる海。

記述があるだけで18回と今回、19回もの津波が三陸に押し寄せているのに
これを想定外と呼ぶのはあまりにも学習が足りません。
しかし、私もこの本を読むまでこれほどこの地域に津波があるとは知りませんでしたし、私が住んでいるところからは遠いからか、情けない事にきっと歴史や地理で学んでいたであろうのに三陸に津波が多い事を覚えていませんでした。

のど元すぎれば。。。
どんなに悲しいことやつらい事も忘れてしまうのは
人間とはなんと愚かなのでしょう。

吉村さんがまだ生きていらしたら
どのように今回の津波を書き記し私たちに何を伝えてくれたのか
読んでみたかったです。
この津波後の増刷分の印税を妻で作家の津村節子さんは
被災地へ寄付する事を決められたとの事。
http://www.sakigake.jp/p/special/11/eastjapan_earthquake/news.jsp?nid=2011040901000028

この警告の書でもある三陸海岸大津波を読んで
天災を避ける事はできないこと、
だけど、私たちはその度に学び、復興し、強く生きてきた健気な民族である事を
強く思ったのでした。


写真は東尋坊

三陸海岸大津波 を読んで−1

何度か日記に書いた事があると思うけど
小説家の吉村昭氏の作品をとても信頼しています。
かなり読んでいるつもりでいたのですが
「三陸海岸大津波」は全くのノーマークでした。
なので、今回の津波が起こった後にこの本を本屋に買いに行ったのですが、
どこも売り切れで、もちろんアマゾンでも品切れ中。
いつになるかわからないとの事。
最近だめもとで本屋で見ていたらやっと発見しました。
文庫の最後をみると2011年4月20日の9刷目でした。
あの津波以後に刷られた分です。

この本は1970年に書かれたものであるし
吉村さんも2006年に亡くなられているので
もちろん今回の津波の事は書いてはいません。

明治29年、昭和8年、そして昭和35年のチリ地震のときの
3回の大きな津波についてのドキュメンタリー。
いずれも吉村さんの綿密な取材と
抑え気味だけど心に迫ってくる描写で描かれています。

1970年、昭和45年に吉村さんが取材したときは
明治29年の津波の体験者が生きていて2人だけだけど話を聞く事ができました。
しかしその村々に残された資料や絵画からその時の凄まじい模様を知る事ができます。悲しくも、死者は2万1915名。
またそれ以前でも文献から三陸海岸を襲った津波を吉村さんは
貞観11年(896年)5月26日:死者千余人
から
明治27年(1984年)3月22日8時22分まで
18回の津波があったことを書き記しています。

昭和8年の津波になると、その津波を知っている人はたくさんいます。
町によって津波の高さが何メートルであったかもわかっています。
10.7mから24.4mまで記されていますが、吉村さんが聞き取りをした所、
もっと遥かに高い波が町を襲ったのではないかとも書かれています。
また、子供達、小学生の体験した津波の作文もたくさん残っていて
素朴な文章で家族を失った悲しい話がたくさん紹介されています。
死者は1522名
また、その時に政府や警察や赤十字がどのように救援したのかも詳しく記されています。甚大な被害を受けた田老町ではこの津波をきっかけに海抜10m 、総延長2433mの巨大な防潮堤が築かれたりもしたのです。

誤解を恐れずに書けば、このように何度も津波に襲われた三陸海岸で暮らす人々は津波に襲われる事を前提でおびえながら生きてきました。
だからどのような時に津波が来るかを言い伝えられています。
前兆として、津波襲来前、大漁、井戸水の減•枯渇、遠雷、あるいはドーンという大砲のような音がする。そして地震の後には津波が来るのだと教えられていました。
しかし、昭和35年のチリ地震の時は、遥か彼方チリの地震のあと22時間33分後に三陸地方を襲ったのです。
地震を感じる事もないまま、日本時間の午前4時10分頃、津波がやってきました。
注意深く津波の前兆をうかがっていたはずの住人は教えられていた事が起きなかったので、直前にこの津波を知ることとなり逃げきる事ができなかった142名が死亡しました。
よく今回の津波の被害を受けた人が、チリの地震も体験したんだし私たちは大丈夫だ、とよく言っているのはこの津波の事。
田老町では防潮堤のおかげで死者が出なかった事をとても喜んだと書かれています。

昭和45年、このドキュメンタリーを書いた吉村さんは最後に、
「三陸沿岸の人々は、津波に鋭敏な神経を持っている。もし、海に異常があれば、その人々は事前にそれを察知するに違いない」と記しています。
心に残った言葉として、明治29年、昭和8年、35年チリ地震、43年の十勝沖地震を経験した岩手県田畑村の87歳の早野幸太郎氏の言葉をあげています。
「津波は、時世が変わってもなくならない、必ず今後も襲って来る。しかし、今の人たちは色々な方法で十分警戒しているから、死ぬ人はめったにいないと思う」

つづく

三陸海岸 大津波

吉村昭 文春文庫

2011/02/22

「facebook 若き天才の野望」を読んでfacebookの事を少し考えたりした

先月、ソーシャルネットワークを見に行って
その原作じゃなくて
facebookの若き創業者、
ザッカーバーグにちゃんとインタビューして書かれた本、
「facebook 若き天才の野望」を読む事にしたのです。

facebookは元々ハーバードの学生達が
写真付き名簿をネット上にあげたらええやん!
ってとこから始まり、
いろんな天才達が集まってこのすごいSNSができあがりました。
従って、いろんな外人の名前がどんどん出てきます。
カタカナの名前を覚えるのが苦手な私は
一度本を置くと再度読もうと思うのに時間がかかります。。。
なので、結構時間がかかってしまったよ〜。
そこそこ厚いこの本にしても2週間以上かかってますね(反省
それで
この本、おもしろいかと言えば
どうだろう?
うーん55点ぐらいかな〜?

だけど、これを読んでザッカーバーグがfacebookについてどう思ってるか
わかったような気がしてきました。

アメリカで会社を起こした人って
会社を大きくしてそれを高く売って後の余生を悠々自適に暮らす、
って考え方があるじゃない?
だからfaecbookにも何度も買収の話がどんどん降りかかってきます。
それも全く利益を出していない!うちから
これはすごいビジネスモデルだとばかりに
10億ドルでどう?
とか言われるんよね。
で、他の創業者たちは売るべきだって言う。
だって、その後の人生を変えて余りあるお金だもんね。
だけど、ザッカーバーグは悩んだ末、売りたくないっていう。
なぜなら自分は
こんなすばらしいアイデアをこれから作ることはできないだろう。
それにもっともっとより良いアイデアで
facebookをより良い価値のあるものにできる。
とね。(今や価値は500億ドル以上あると言われています)

よく見るビジュアル通り、ザッカーバーグって本当にお金がいらない人みたい。
前に見たインタビューで孫正義がお金に興味はないけど、
次の事業を薦める武器としてお金は必要
というような事を言ってたけど、きっと同じような考えなんだろうねえ。
だけど、私はどこでもアディダスのスリッパと短パンみたいなのは嫌だな。
極上の装いは必要なくても、相手に対して不快じゃない事も大切だと思うけど。
ま そういうのも ある種の反逆精神なのかもしれないし、
そこまでビッグになったら誰もそんな事を言わないのかもしれない。

映画では金持ちの社交界の人たちへの羨望と妬みを持ったとプライドの固まりのように描かれているザッカーバーグだけど、
本では全く印象が違う。
そういう他人からどう見られるかとか
他人が何をしてるかには全く興味がないように見える。
考えてるのはfacebookがよりよくなることだけ。
元々、映画自体、名前は本当だけどある意味フィクションだと
フィンチャーも言ってるので更にわかりにくくなってるんだと思う。
けど、あれって、名誉毀損とかにならないのかしら?
アスペルガーの様に描かれてるけど本当はそうではないらしいし。
ちなみに映画では一番大きな主題となっている訴訟問題には本文の1割も割いてない。

閑話休題
この上まで書いて風邪を少しひいてしまったんで
時間がたって書きたい事が薄ぼんやりしてきました。
だけど、続きを書くよw

さて、facebookがただのSNSから
革新的で新しいSNSになった第一歩が
自分のフロントページが
ニュースフィード
になったこと。

自分がmixi的にいうとマイミクになった人や会社が
何をしているのか
どんな事をしたのか
写真をあげたのか
プロフィールをいじったのか
そういうことが一覧に出てくるページ。
それがニュースフィード。

んん?
全然新しくないやん。って思ってる貴方!
そうです。
mixiもそうなったでしょ?
というか、mixiがパクリなんだけどねorz
んで、そうなった時に、mixiでもあったように
facebookのユーザーたちが
「わたしたちはストーカーじゃない。
友達の生活をそこまで一々知りたい訳ではない」
と大反対になるんだけど、その後、プライバシーをいじれるようにして
そのニュースフィードは自分の生活になくてはならない
熱狂的に依存してしまうwebサイトになっていくんですよね。
結局はみんな、友達が何をしてるかが気になってる!!!って事。
映画のときにも書いたけど、お仕着せのニュースではなく
自分の興味のあるニュースソースを選ぶ時代になったということ。
それは友達が新しく洋服を買った事も
リビアでカダフィーが声明を発した事も
私がプロフィールの趣味に読書を付け加えた事も
あなたが「おなかがすいた!」ってつぶやいたことも
同等にニュースとして羅列して
眺める時代が来たってことなのよね。
今や、mixiもそんな風になってしまったので、
これがどんなに新しい事かってのはわかりにくいと思う。

新しい事ってしばらくたつとすぐ日常になってしまうから
その最初のキラメキを伝える事って難しいよねえ。
そのニュースフィードが成功してザッカーバーグはfacebookが成功する事を確信したみたい。

どうしてもmixiと比べてしまうんだけど、
facebookとmixiの一番の違いは
実名だけで登録するのか実名以外を認めるのかというところ。

facebookは実名を推奨していてみんな自分の顔写真をアバターにupしてるけど、
それはザッカーバーグのこういう考えかららしい。
実名をあげる事によって発言に責任を持つようになる。
これはわかりますよね。
あと、例えばある夜、私がAさんの誘いを風邪引いたと断って
Bさんと遊びに行ったとするじゃない?
みんなfacebookをしてたらBさんは私とカラオケしてる写真をupして
それに親切にも私の名前をタグ付けしてくれたりするじゃない?
んで、次の日、Aさんがその写真を見て私の嘘がばれて険悪になる!
ってことが起こるじゃない?
そういう事が無くなる世界になるってザッカーバーグは言うの。
つまり、透明性を高めると嘘のない公平な世界になるってね。
これは言うのは簡単だけど、そこまで誰にも嘘をつかずに生きることって楽しいか?って考えさせられるよね。
はっきり言って、しんどいと思う。
それに実名で登録してると探されやすいから
自分の日常をわざわざ知らせたくない人にも友達登録の承認を求められるし。。
それがSNS力のある人ならいいけど、そうでも無い人だとほんと、
めんどくさいのよね(毒

理想論はわかるけど、これっていつかfacebook住人の息がつまんないのかな?

ウィキリークスにしても、
最初は好感をもって私も見てたけど、
今の世界の状態、中東やアフリカで起こってる事を見ると
開けなくてもいいパンドラの箱を開けてしまった後の世界はどうなるのか?を考えて薄ら寒くなってしまいます。
絵本や映画ならそういう時に、
正しい王様が現れて正しい国へと導くのだろうけど
欲や利権や正義や犯罪がうずまく人間界でそのような
真っ当な事が行われるのか?
もちろん、私にはそんな実力もないし、
この人が適切と推薦する事も
代替案もない。
そしてかの国には、私たちの言う所の教育を受けた人が少ない。

世界はこのまま混沌としていって、今は遠い国だから眺めているけど、
少しづつ、私たち仲間の国にも飛び火して気がつくと自国ですら
同じような事が近いうちに興るのではないかとすら思えてきます。

こうやって私もものすごく依存しているweb社会が発明されたことは
何かの終わりの始まりだったのだ
と、後に気がつくような壮大なSF小説がかけるような気がしてきました。

2011/01/31

おっさんの本を読んだ


去年、突如巻き起こったマイブーム
ラスプーチン!
前にブログに書いた事があるけど
禍々しい形相を持ち、殺してもなかなか死ななかった怪僧の事が
ずっと気になってるので
前に日本一でかいというジュンクの本屋が開店した日に
つい、出来心で
「ラスプーチンが来た 山田風太郎明治小説全集Ⅱ」
筑摩文庫 山田風太郎
を買ってしまいました。

もっとラスプーチンに言及した話かと思えばそれほどでもなく
(タイトルにやられたw 少しは出てくるけど)
だいたいが、明治時代に実際にいたうさんくさいおっさん、
飯野吉三郎
という「穏田の神様」「穏田の行者」と呼ばれた
いんちき?占い師で神主??で
後に日本のラスプーチンと呼ばれたおっさんと下田歌子の話。

ラスプーチンと同じように色んな事を予言して
皇族や軍属、政治家にとりいってたという
まあ 香具師の典型的なおっさんです。

やっぱり変な新興宗教の人ってこういうタイプが多いのは万国共通なのかしら?
そしてみんな性的にもすごい絶倫タイプというのも共通で、
こういう風に有名になる人たちって強欲で人たらしで女たらしなんでしょうねえ。

実は、山田風太郎を読んだ事がなく、
というかあんまり歴史通俗小説が好きではないのです。
こういうタイプの本っておっさんの読者が多い印象がある。
だからなのか
過剰に絶倫度が高い構成で濡れ場が多いw
1冊しか読んでないけどやっぱりもういいかな風太郎。
ってかんじ。
もし、女史が読んでもおもしろい本があればお知らせください。

さて、その日本のラスプーチン、飯野吉三郎のことはちょっとおもしろいので
興味のある人はウィキを→ Here
そのおっさんの写真はここにあります
→ Photo
見た目はラスプーチンと比べると普通のおじいさんだな

2010/11/09

大人の深夜特急、天涯

twitterでは何度もつぶやいているんだけど、
沢木耕太郎の「天涯」が かっこよすぎます

かっこいい、なんて使い古された言葉でいうのもなんだけど、
この6巻からなる紀行写真集
副題からして
天涯
1 鳥は舞い 光は流れ
2 水は囁き 月は眠る
3 花は揺れ 闇は輝き
4 砂は誘い 塔は叫ぶ
5 風は踊り 星は燃え
6 雲は急ぎ 船は漂う
と、沢木耕太郎でなければつけることができない気障な言葉たち。

「私は旅をする」

「だが、私は旅をしていない。汽車にも乗らず、飛行機にも乗らず、船にも乗らず、ただ机の前に座っている。出発していない私には無限の自由がある」

という文章から始まる紀行文は
旅のスナップ写真と旅先での散文と
沢木の蔵書から選ばれた小説の中の旅について書かれた文章

彼の丁寧で品行方正でいてかっこよすぎる文体に
くらくらきます。

私はこの本をある新聞社の記者の方から
写真がいいよと貸してもらったのですが
旅の写真たち、この写真が美しい綺麗な写真ではなく
ピントがずれていたり動いてたりしてるのもあっても
それがまたかっこいいというか
カメラマンではない沢木が撮ったからでこその写真なのです。
中でも組写真といって何枚もの写真を組み合わせて楽しむ写真があるのですが、
1枚目ぼけてぶれて人物が写っている
2枚目全体をうつしている
3枚目ピントがちゃんとあって皺を深く刻んだイタリア人のおじいさんが写っている
という風に物語を感じさせる写真達、
これがいい。
うらやましいぐらいにかっこいい。

沢木と言えば
もちろん誰もが青春時代に通った道、
深夜特急ですが
あの、さ〜今すぐ私は旅に出なければ!と気持ちをかきたてられる本から
10年ほどたって書かれたこの本は
しっとりじんわり旅への欲求を感じる事ができます。

写真の横に書かれた散文がその写真と関係あるかと言えば
そうでもなく
いや、でもその世界観は繋がっているようで
ぞくぞく来ます。

旅について書かれた数々の小説たちの1シーン、
こんなにたくさんの本を読んでいて
その上ピックアップできる力、
本当に沢木本人がしてんの?編集者じゃないの?と思ってたら
この5巻の巻末の1/5ほどは全て旅についての講演をかきおこしたものになっていて
本を選んだ過程も話していて、
またまたその知の力がうらやましすぎるのです。
講演では彼の写真に対する考え方も話していて、
とっても興味深い。
僕はカメラには詳しくないので気持ちのままに撮ってるのです。
みたいな。
詳しくないのがかっこええな〜。

最近、新しいカメラになって2chでそのスレを見てると
アンチの人たちが、そのカメラの悪口を専門用語でいっぱい書いてるのを見過ぎたので
詳しすぎるほうが気持ち悪いんじゃないかと思ってたとこ。

ああ
この日記、何度もかっこいいと書き過ぎてヘタクソな文章なんだけど
他に思い浮かぶ言葉がないんよね。
みんなに読んで欲しいんだけど
かっこよさが伝わってないよね〜。

夜中のラブレターのような
旅からのエアメールのような 文章と
旅先でのきらめきの瞬間を切り取った スナップと
珠玉の小説たちのガイドとが
複雑にからみあった天涯。

昔旅に出ていて、
今は少し旅から遠ざかってる
私のような人がいたならば
ぜひ、手に取って欲しい
そんな本です。

天涯1〜6 沢木耕太郎 集英社文庫 


私の中で、深夜特急と共に
電子書籍化してほしい一番の作品です。

**********

天涯のマネ



















バーボンロックのグラスの向こう側に
旅した町の風景を見ると作家は言った。
思い出が自分の樽の中で熟成するのにどれぐらいの時間を要するのだろう。
普段の暮らしのあちこちに訪れた町を思い出す欠片は落ちている。
あの町で見た夕日を見る事はもう2度と出来ないとしても
何度でも夕日の中にいた自分を反芻する事はできるのだ。





















明日という日の長さは?
老人が尋ねた。
すると、今は亡い妻の若かりしころの幻影が答えた。
永遠と一日。
そこで映画は終わったが、私たちに一つの言葉が残された。
明日の長さは永遠と一日、であると。

沢木耕太郎 『天涯4 砂は誘い 塔は叫ぶ』

2010/10/09

Evernoteと知的生産の技術

どれぐらいかかっとんねん!
と、思われる人もいると思いますが
やっと、国立民族学博物館の元館長の梅棹忠夫先生の
知的生産の技術を読み終えました。
新書をよむのが苦手w

この本は1969年に書かれた新書で
学校では知識は教えてくれるけど
メモのまとめ方、
カードの利用法、原稿の書き方など
その知識をまとめてわかりやすく保管する方法は教えてくれない、
そこで知の大家の先生が
その方法を伝授するという内容です。

もちろん、その頃は、パソコンなんてあるはずもなく、
もちろんワープロも
そして
そこで出てくる和文の平仮名タイプライターすら出始めたかどうかの時代。

その当時の先輩からメモをつけなさい。
と言われてた先生、どうしてもノートのどの部分にそれを書いたのか?
わからなくなりますよね。
私もよくあります。
その上、慌ててメモってとるので字が汚いっw
先生はいろいろと考えてこのような方法を編み出します。
B6版(12.8x18.3cm)のカードを用意しそこに経線を書きます。
それもノートなんかのペラペラした紙ではなく、厚紙とはいわないけど画用紙ぐらいの厚さの紙。
なぜならカードはボックスに入れて何度もくるから。
保存するだけではなく、何度も活用するためにつくるのです。

このカード、私も最初にきいたときはちょっと大きすぎると思ったけど、
これより小さすぎるとたくさんの物事を書く事ができない。
小さなメモだと何枚もに渡ってしまうことってあるでしょ?
そして先生のルールとして
一項目1枚。
例えば
『円周率』
通常3.14
ということだけを書くカードがあったとしても、
もったいないと思ってその横に他の事を書いてはいけない。
なんでも気になった事は1項目づつ、カードに書く。
何でも例えば日記でもカードに書く。
手紙も複写してカードに記しておく。
本の感想も書く。
覚えるために書くのではないと先生は言う。
忘れるために書くのである、と。

それはまるで現在のパソコンのファイルをアナログでやっているのと同じです。
かと言って、現代人が(というよりも私が)
先生よりも簡単に早くパソコンを使って
昔記したファイルから探したい事柄を探せるかというと
それは全くなく、いつも
あれってどこだったんだろう??
と探してばかりの宝の持ち腐れ。

私は、はたとこの本を読んで理由がわかりました。
理由は簡単、ファイルを作るときのタイトルに不備があり
そしていろんな物に書き過ぎているということ。
私はあるときは机の上のメモ用紙に何かをかきつけ、
そしてあるときは何でも書く用のノートに
あるときはiPhoneのメモアプリに
そしてパソコンでもテキストエディタに。
とバラバラ。
そしてPC的なものに書き込むときも面倒くさがりの私は
曖昧で中途半端なタイトルの付け方をしていたのです。

ご存知の方もおられるとは思いますが
何台ものパソコン、スマートフォンタイプの携帯電話、
iPadなどの全ての機器で互換性を持って使えるweb上のメモに
Evernote があります。
http://www.evernote.com/about/intl/jp/
日本語版では
すべてを記憶する
が、コピー。
メモから写真、ボイスメモなど
無料で1ヶ月40Mまで使えるのです。
この容量はかなりのもので使い切る人は素人では難しいのでは?

最近私は今までIDをとるだけでほったらかしていたEvernoteを再開し、
メモを書くときは
できるだけ
机の上の紙に手を伸ばさないようにして
Evernoteに丁寧で詳しいタイトルをつけて上げるようにしました。

おかげで最近の事柄に関しては
探しまわらなくてもいいようになってきました。
この本のおかげです。
梅棹せんせいのように几帳面にはできないけど
ものぐさな私でもこの方法ならなんとかなる!のです。

先生の開発したカードは当時、
先生の周りの研究者たちにどんどん広まり、
いつのまにか
京大型カード という名前をつけられて市販されるようになったそう。
(その当時、先生は京大の教授だったので)
今でも京大では売ってるのかと思って調べていたら
アマゾンでも売っている!

この大きさ、帳簿の伝票で使われてるのと同じで
見出しカードやファイルボックスまでなんでも揃っているのがいいところだとか。
カードのいいところは論文を書くときに
書きたい事の考えが書かれたメモを
机の上に並べ、順番を付けたり、
どれとどれを一緒に書くか、また重複した事を省くなどを
目の前でできること。
これは、Evernoteではできないな。
だけど、私は論文を書く事がないからそこは大丈夫かと

写真は
梅棹先生が館長だった民族学博物館の楽しい展示風景


******
知的生産の技術 梅棹忠夫
岩波新書

2010/09/10

東京島

また、ある日、ネットの海をさまよっていた私は
ある記事にたどり着いたのでした。

三毛別羆事件

これは北海道で起こった
日本史上最大のヒグマの熊害事件。
今、その記事はどこへ行ったのか探れないないんだけど、
確か、「ウィキペディアで小説よりもすごくよく書かれている記事ベスト10」みたいなのがあって、 そこに書いてあったんです。
私は小説家の吉村昭ファンで
彼がこの事件を小説化した 「熊嵐」 をよんでいてよくわかっていたので
冬眠に失敗した空腹のヒグマが数度にわたり民家を襲い、当時の開拓民7名が死亡、3名の重傷者を出すという被害があったこの記事をむさぼるように読んだのでした。

確かによくできてます↑
この事件の怖いところは一度人間の若い女の味を知った熊は
その味を覚え、何度も女性を襲うという執着心!
本もおもしろいのでぜひ、興味がもったら新潮文庫の
吉村昭の熊嵐を読んでみてください。

それでラスプーチンの時みたいに羆事件をネットの海で追っていたら
なぜか
アナタハンの女王事件にたどり着いたのでした。

これは太平洋の孤島に太平洋戦争のまっただ中に漂流してたどり着いたのが
1人の女性と32人の男達。
その独りの女性を巡って
大量の殺人事件までも起こってしまったという事件。

今、映画化されてて
谷崎潤一郎賞も取った
桐野夏生の 東京島 のモデルになった話。
先日、文庫本を買って結構おもしろく読み終えたんだけど、
でも、その話よりもこのサイトの方が断然おもしろい。

ぜひ、読んでみて!
当時の写真もたくさん掲載されていてびっくりする!

その独りの女性が助けられて日本に帰った後、
この事件が「アナタハンの女王事件」としてが映画化されて本人が主役として出演、
その上大人気になって
彼女のブロマイドが売れに売れたんだって!
また、本人が芝居の主役として舞台に立って全国を興行して回ったという、
この一連の後日談に一番驚いた。
女ってすごいなとうならされるよね。

それから比べると東京島は今が舞台で
この事件を知った後に読むとインパクトに欠けるんだな。
やっぱり戦争という極限状態があったことがかなりドラマチックにさせている。

あんまり書くとサイトを読む楽しみがなくなるから
やめておこう。
東京島の映画はテレビになったらみるかな?



漂流物でもやっぱり吉村昭の漂流(新潮文庫)がかなり好き。
こっちも映画化されてるらしいのでこれはいつか見てみたい。

2010/05/09

旅と読書


ある日、
ロバート・ハリスのポッドキャストをきいていたら、
旅に持っていくオススメは
ハルキの『遠い太鼓』だと言っていた。
私はそれをちょうど本屋で聞いていたので、
その場で買ってあまり読まずに時々手にとっては眺めるているような読み方をしていたのだ。
遠い太鼓 は ハルキが39歳の頃の紀行文。
内容は、売れっ子作家になりそうな予感の中、そんな自分と日本での毎日に嫌気がして、
ギリシャ・イタリアなどを奥さんと二人、
ミラノ・ミコノス・アテネ・・・いろんな町でアパートメントを借りて
数ヶ月づつ過ごしながら疲弊しきった心を少しづつ氷解させて健やかな心へと導いていく話。
この3年間の旅の中で、ノルウェイの森とダンス・ダンス・ダンスは生まれたのだ。

読み出してみると小編に分かれ、
その土地での暮らしを書き綴ったエッセイはとても読みやすく、
私は先月の名古屋への一人旅の道連れにこの本とtwitterをもっていくことにした。

ギリシャやイタリアに比べると名古屋なんて
すごく近くだけど、
女一人2泊も宿を取って旅に出るのは私にとっては小さな冒険だ。

名古屋のホテルやカフェやレストランやいろんなところで本を開いて
私も少しづつギリシャを旅してみる。

『ひつまぶし』を食べてはローマに行き、
気に入ったBARでジンリッキーとギリシャの知らない島へ行ったり、
ミコノスとホテルのビュッフェランチが一緒になったり。
まるで、二つの旅をしているような気分になるのだ。

この本のハルキは私と同じ年ぐらいで40になったら
何かをしなければならないと
何故かすごく焦っている。
そんな彼と一緒に私は何をすればいいのだろうか。
焦ってみたりもしながら
旅をしたのである。

遠い太鼓は
結局
旅の間だけでは読むことができずに
5分の1ほどを神戸に持って帰ってしまった。
旅先での紀行文は自分のわくわくとシンクロして
知らない町でのおじさんとの会話や
偶然入った町の食堂のびっくりするぐらいおいしいワインと食事に楽しむハルキ夫妻を
我が事のようにほほえましく読めたんだけれど、
家で読むと
うらやましさが先にたってしまう。

ロバート・ハリスはいつもこの本を旅に持っていくと言っていたのは
なるほどこういうことだったのかと
旅で旅を読む楽しさを
体感した
名古屋旅行でもあったのでした。


写真は泊まったホテルの近くのテレビ塔

2010/04/28

ふしぎの国のアリス

今日!
箕面まで
IMAXの アリス イン ワンダーランド を見に行くのです
遠足気分♪

この予定は
はじめから組まれていたもので
そのために、
すっかり忘れていたアリスをもう一度チャレンジと
福音館文庫 の ふしぎの国のアリス 
児童書を久しぶりに買ってみて
読んでみたのです。

うっすらとした
記憶しかないのですが
表紙が分厚い
ピカピカのA5サイズの
ディズニーの絵本のアリスを持っていたような気がする。

ちょうちん袖の
ブルーのワンピースに
白いエプロン、
ブロンドいえ、黄色の髪の毛。

正方形の大きな白黒のタイルの床に
座って
涙をボトルにいれるとこ。

トランプの兵隊

そんなことは覚えているけど

チシャネコと
帽子屋のイメージがまったく欠落していて
映画の予告の
ジョニーを見ても
誰なのかわからなかったという・・・

児童書で読んでみたアリスは
もう
まったく、
おもしろさも意味も理解のできないお話でした。

西洋人の考えるナンセンス
についていけない
私のセンスのなさ・・・
これぞ、ほんもののナンセンス?

(ハンプティ ダンプティ も 実は何がおもしろいのかわからむ。

登場人物?登場動物?登場怪物?の名前は
わかりました。

内容は
訳者の方があとがきにも書いているとおり
『キャロル特有の、いわゆる「かばん語」(二つの単語を一つに重ねて作る言葉)やなぞなぞや語呂合わせや、造語のたぐいが、なかなか日本語にしにくいことで、そのために、面白さがどうしても半減するだろう・・・』
ということで、
全てを理解することは
むりでした・・・・。
子供の心にもどって
少なくとも
あと
10回は
読まなきゃだめっ。

あぁ
でも
これって
西洋人に源氏物語を読めといっても
無理なのと同じではないですか?(逆ギレw

などと、
及び腰に話を締めつつも
この予習が映画をもっと楽しく見せてくれることを
祈るばかりなのです。

2010/02/04

ミレニアム 本

ミレニアム 3部作

スウェーデン人作家
スティーグ・ラーソンによって書かれ
全世界で2100万部を突破、
2008年度世界書籍売り上げランキング第2位!世界中に旋風を巻き起こした
驚異のミステリ3部作。

ミレニアム
http://ow.ly/13JOr

読まれたでしょうか?

私は読みました。

かなり 硬派でおもしろい話です

ミレニアム 第一部 ドラゴン・タトゥーの女
アマゾンより
『月刊誌『ミレニアム』の発行責任者ミカエルは、大物実業家ヴェンネルストレムの違法行為を暴露する記事を発表した。
だが、名誉毀損で有罪になり、彼は『ミレニアム』から離れることになる。
そんな彼の身元を大企業グループの前会長ヘンリック・ヴァンゲルが密かに調べていた。
背中にドラゴンのタトゥーを入れ、特異な風貌をした女性調査員リスベットの働きで、ヘンリックはミカエルが信頼に足る人物だと確信し、兄の孫娘ハリエットがおよそ40年前に失踪した事件の調査を彼に依頼する。
ハリエットはヘンリックの一族が住む孤島で忽然と姿を消していた。
ヘンリックは一族の誰かが殺したものと考えており、事件を解決すれば、ヴェンネルストレムを破滅させる証拠資料を渡すという。
ミカエルは依頼を受諾し、困難な調査を開始する。』 

2009/07/24

書評ポッドキャスト


ポッドキャストを非常に聴いてます。
テレビが面白くないので
かなり、一人のときはポッドキャストを聴いています。

先日、
最近 iPodを買った本読みの友人に
書評のポッドキャストを教えて欲しいと言われたので
メモ代わりに
こちらにもUPしよう
(URLは iTuneのもの)

日高晤郎 私の本棚

これは北海道のAMラジオの一コーナー。
日高さんは
実は 私、 ほんとのところ存じ上げない
ポッドキャストだけの関係なのですが
ものすごくポリシーを持った
辛口オジサマです。
ちょっと、偏ってるとこもあるけど
自分の気に入らないところなんか バッサリ!
東野圭吾は手紙 以降、 面白いものは何もない
とか 売れっ子に対して平気で言う。
時事問題に対してもバッサリ!

大竹まこと ゴールデンラジオ 『大竹紳士交遊録』


言わずと知れた大竹まことのラジオ番組の中のコーナー
月)森永卓郎(経済アナリスト、獨協大学教授) (火)山口一臣(週刊朝日編集長)
(水)笑福亭笑瓶(タレント)(木)大森望(辛口書評家)(金)きたろう(タレント/俳優)
の、中の、
(木)大森望(辛口書評家)。

大森さんの書評は的確。
おもしろい
一番気に入ってます

小島慶子キラキラ


TBSラジオ 小島慶子キラキラ
の中の
(木)書評家・岡野宏文さん

最近聞き出したので
まだ、キャラクターがわかってませんwww


ほんとは
無くなった TBSラジオの
ストリームの 豊崎社長の書評が一番おもしろかったんだけどな・・・

私は、文庫本派で
書評って、新刊単行本が主なので忘れがちなのですが
それでも、
おもしろそうだと思うときは
そっと買ってしまったりしています

兎にも角にも
読まなくても、本の話を聴いてるのって楽しいのだ

2009/07/10

1Q84


とある、文庫本コミュの首謀者であるにもかかわらず
1Q84
読んでしまいました。
すみませぬ。

もちろん、私は
ハルキスト ではないのです。
よって、 この本は貸してもらったもの。
貸してくださった方は、本物の本好きの方ですが、

このごろ、
街中や電車でハードカバーを読んでる人を見たら
だいたい 8割は 1Q84 で
うちの本を読まない方のスタッフが
ハードカバーを読んでるお客様に
『1Q84ですか?』
と 聞いてたぐらい世の中に浸透しているので
きっと、あまり本を読まない人の方が
この本を持ってる可能性が高いと思われます。
読みたい人は
あんまり、本を読まないタイプで流行に乗りやすい人に
『1Q84 持ってる?』
ってきいたら だいたい持ってるはずなので
その人に借りてくださいw

さて、
1Q84 は 発売前に内容を全く明かされず、
書き下ろしで カフカ以来の新作の ハルキ本なので
私も、
これから読む人のために、
内容をネタバレしたくありません

ただ、
おもしろく読みました。
きっと、続き、あると思います

とだけ申し上げます。

内容と関係のあまりないところで
主人公が
自分の一番古い記憶について話すところがあります。

一番、古い、 記憶。

時々、私も考えるのですが
幼稚園でのある記憶で
はっきりと覚えていることがあります。
でも、それは、その場所が幼稚園だから年代がはっきりしているだけであって、
別の家でのエピソードのほうが、もっと古いかもしれないと思うと
どれが一番古いのか、はっきりしないのです

普通、一番古い記憶ってみんな、
明確に覚えているものなんでしょうか?

2009/07/03

100冊の季節


本屋へ行ってみてください

各文庫の
夏の100冊が だ~~~~っと並んでいます


今年は
新潮文庫2冊では
yondaくんマスコットがもらえるそうな


もちろん、私
買ってきましたよ。。

対話編 金城一紀

きつねのはなし 森見 登美彦

あの100冊を見ると夏を感じるな~

2009/06/30

『死の棘』と『IN』


mixiにある
毎月、名作をよもうというコミュ
放課後読書会 - on and off -

に 入っていて(読書好きのみなさんどうぞ!)
先月末は 細雪を読んでその谷崎が細雪の舞台として住んでいた邸宅
『倚松庵』へ行った
のですが
そのあと、カクテルとか飲みながら
次に何を読みたいかという話になりました。

私は ちょっと気になっていた
『死の棘』 島尾俊雄 新潮文庫が読みたかったので
じゃ~それを7月あたりに読みましょうかということになったのです。

死の棘は
作家である夫と妻の物語。
その夫の名前は 島尾俊雄 妻はミホ、子供達も本名で描かれている

そんな2人の子供のよき母であり、
夫をひたすら一途に愛していた妻が、ある日、
夫の不倫をしていたことを知ってしまう。
それも、日記魔の夫の日記から!
その日から妻の狂気が始まった。
夫はひたすら妻の怒りに謝り怯え慄くけれど決して妻は許さない。
どんどんエスカレートして荒んでいく妻と家庭。

という
読めば読むほど滅入ってしまう
堂々巡りの物語なんだけど
なぜか鬱々とした中にも引き寄せられるものがあり
その無限地獄を覗き見たくなってしまう、稀有な小説でした。

その、死の棘を読書前、買おうと思っていたとき
大森望さんの書評ポッドキャストで
今、よく売れているという
『IN』 桐野夏生 集英社
についてを聞いてると
なんと、
この本は
死の棘の家庭を壊したと言われている愛人は誰なのか?
ということを 探りながら一方、
自分の不倫も閉じようとしている女性作家の話だというのです。
こちらも作家が桐野夏生ではないかと疑ってしまうような描き方。


たいむり~~~~~~~

もちろん本の中では
島尾俊雄とも死の棘とも書かれていないけど
読む人が読んだらすぐわかるようになってるんです。
(もちろん、死の棘を読んでいないときの私なら 劇中劇ならぬ
 本中本だと思ってたと思うけど)

だから

死の棘を読んでからINを読むと

ものすごく どちらもが リアリティーのある
まるで 上巻と下巻のようにも読めてしまうんです。

でも、作家たちは
まるでノンフィクションのように毎日を描いていたとても
それは どこからが真実でどこからが虚構なのか?
読者は迷路に迷い込んだかのような気分にさせられてしまうものですね。

自分の身を削ってまで
作品と向き合わなければならない
作家と言うのは因果な商売だなと思わせる
2編の作品でした
あ~~~~~ ドロドロしてた~~~~~~
(でも、ハッピーエンドな小説より どろどろしたほうが好みなのよ、本はね

ちなみに今月の課題図書は
太宰の斜陽で 今度 映画『斜陽』&監督の舞台挨拶を見に行きます
たのしみ!

2009/06/22

贅沢な私


今朝、amazonから
頼んでいた
死の棘 島尾敏雄 新潮文庫

IN 桐野夏生
がやってきました

そして
先日 本トモダチが貸してくれた
1Q84 も机の上に乗ってます

ああああ
贅沢~
どれから読もうかしら?